不易流行 〜インドのファッション&ビューティ〜

FASHION & BEAUTY in INDIA/インドの多様性を映す民族衣装サリー情報をはじめ、昨今のファッションやジュエリー、コスメティクスのトレンドをご紹介。

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年に数回、調査の仕事などのため、大量の雑誌を購入します。そのたびに、購入すべき雑誌が増えています。というのも、高度経済成長中のインドは、出版業界もまた、成長の過程にあるからです。

4、5年前までは、女性誌と言えばインド国内の出版社による、紙や印刷技術の質が低いものが主流だったのですが、ここ数年のうちに海外女性誌の「インド版」が次々に創刊。先進国の雑誌に勝るとも劣らぬクオリティです。

インドは地方によって言語が異なりますので、地方別にそれぞれの言語による雑誌がありますが、英語の雑誌は全国で販売されています。

さて、今日は買い集めた雑誌から、何冊かをピックアップして紹介します。まず上の大きな写真。インド版のVOGUE、MARIE CLARE、COSMOPOLITAN、ELLE、GRAZIAです。

表紙のモデルは、ELLE以外はインド人女性で、人気の映画女優も見られます。彼女らに共通している特徴にお気づきでしょうか? そう。暑苦しいほどの黒髪。そして白めの肌。

地方ごとに差異があるにせよ、全般に肌色の濃い人が多いインドでは、白い肌が美の条件となっています。インド的美白については、今後少しずつ触れるとして、髪。

最近でこそ、カラーリングや短めのヘアスタイルを楽しむ女性たちが増え始めていますが、それでも「黒く艶やかな長い髪」は、美の基本的な条件です。

インド人女性の多くは、髪にコシがあり、髪の量が非常に多く、通学途中の少女たちの三つ編みですら、「しめ縄」状態です。あの小さな頭に、どうやったらあんなに髪の毛が生えてくるのだろうかと感心するほど。

ブンブンと振り回したら凶器にすらなりそうな勢いです。

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さて、こちらはインドの女性誌。中でも右端のFEMINAは、1959年創刊、今年で50周年を迎えた最も有名な女性誌です。間違ってヒンディー語版を買ってしまったため読めません。英語を読めるか否かで、読者層が異なることから、英語版とは誌面の構成や広告の内容なども若干異なります。

下の写真は、50周年記念特集から。1960年代の表紙の一覧です。ファッション、ヘアスタイル、表情、背景……いずれも時代を感じさせます。

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ところでインドは、今、結婚式のシーズン。毎年、年末近くになると、ホテルのバンケットルームやガーデン、あるいは市井の結婚式場で、きらびやかな結婚式の様子を見ることができます。

ウェディング専門誌(下の写真)が出回るほか、ウェディング特集を組む雑誌も少なくありません。

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表紙を見ていただくだけで、インドの花嫁がいかに派手に着飾るか、予想がつくかと思います。インドの花嫁は、金糸銀糸もあでやかに、赤やピンク、オレンジ、黄色といった暖色系の民族衣裳に身を包み、「これでもか!」というくらいに宝飾品をつけます。

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これはMARIE CLAREのウェディング・ファッション特集。着飾るのは、花嫁だけではありません。花嫁の友人たちも華やかに着飾るのが常ですから、編集側も、「花嫁と花嫁の友だちのためのファッション」と称して、おすすめのアイテムを提案しています。ちなみにインドでは「白」は喪服の色ですから、ハレの日には着ません。黒もあまり好まれません。しかし最近では、白地や黒地に刺繍などを施し「派手化したもの」は、見られるようになってきました。

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こちらは、VOGUEのウェディング・ファッション。普段は欧米のテイストが効いた、比較的落ち着いた紙面構成のVOGUEですが、結婚となると話は別。写真が小さくてわかりづらいかと思いますが、衣類のほとんどが、刺繍やスパンコール、カラフルな石などが埋め込まれた、どっしりと重量感あるものです。

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こちらもVOGUE。インドのジュエリーは大振りが基本です。右端のイアリングなど「シャンデリア?」と思うようなデザインです。実際、商品名は「ザ・シャンデリア・イアリング」でした。指輪やバングルも、存在感ありすぎ、です。ちなみにこれらの石はすべて「本物」の貴石、もしくは半貴石。ガラスやプラスティックではありませんので、念のため。

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インドの結婚式イヴェントは数日に分けて行われます。従っては、花嫁の衣裳も目的に応じて毎日変わります。左は、結婚式の儀式の際の伝統的なファッションの例。右は披露宴の際のシンプルなファッションの例が挙げられています……と思ったら、ファッションではなく「メイクアップのアドヴァイス」のページでした。メイクよりもジュエリーに目がいきますよね。

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まるでミュージアムの古代出土品コーナーに展示されていそうな首輪。ではなくて、ネックレスですね。度肝を抜かれます。このようなデザインはインドの伝統的な装飾品で、研磨されていないダイヤモンドが埋め込まれています。グリーンはエメラルドです。それにしても、肩が凝りそう……。

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こちらは、「セクシーな花嫁」と称された特集ですが、セクシーというよりは、鼻輪をどこかにひっかけそうで、気が気ではありません。

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あまりにも、耳への負担が大きすぎるイアリング。イアリングを落とすことよりも、耳がちぎれそうで心配です。

インドのファッション。派手できらびやか、加えて体力勝負だということが、おわかりいただけたでしょうか。

今後少しずつ、インドのファッションやジュエリーなどについてもピックアップしていく予定ですが、まずはインドのスタンダードを理解していただきたいと思い、派手の断片をご紹介しました。

わたしは、普段インドで、激しく大振りなジュエリーを見慣れているので、日本に帰国した折、ジュエリーショップに立ち寄ると、すべてが上品にも小さすぎて物足りなく感じます。

小振りのジュエリーにはめ込まれた石など、「肉眼では見えない」とさえ思ってしまいます。大げさですね。失礼しました。

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