不易流行 〜インドのファッション&ビューティ〜

FASHION & BEAUTY in INDIA/インドの多様性を映す民族衣装サリー情報をはじめ、昨今のファッションやジュエリー、コスメティクスのトレンドをご紹介。

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インドのジュエリー事情。たとえば、プレシャス・ストーン(貴石)やセミ・プレシャス・ストーン(半貴石)などのジェム(宝石)を巡るお話は、また後日に譲るとして、今日はまずインドのゴールド、金をご紹介しましょう。

世界最大の金消費国であるインドでは、古くから22金(22K/カラット)のジュエリーが愛されてきました。22金は純度が高く、黄色がかった明るさで、まさに「黄金色」です。

純度100%の金が24金(純金)とされており、24という数字が基準になります。22金は金の含有率が22/24、つまり91.7%、18金は18/24で75%という具合に計算されるのです。

22金は24金ほど柔らかくなく、また18金ほど硬くないため、加工しやすくジュエリーに適しているそうです。

インドの結婚式において、花嫁はたくさんのジュエリーを身に着けるということを先日記しましたが、金のジュエリーは、装飾品としてだけでなく、資産の一つとも考えられています。

金のジュエリーは購入の際、店頭で重量を量ってもらい、そのときどきの相場に合わせて料金が決まります。

わたしは夫と出会う前、20代前半のころから、ゴールドのジュエリーに関心を持っていました。当時は、自分で買えるような経済状態ではなかったのですが、たとえば広告などで、イタリアの大振りなゴールドのバングルなどを見るにつけ、「いつか欲しいな~」と憧れていました。

わたしが自分で初めてゴールドのジュエリーを買ったのは29歳のとき。バンコクのゴールドショップで買い求めました。収入の大半を海外旅行費に宛てていた当時のわたしにとって、それは思い切った買い物でした。

決して「大振り」ではありませんでしたが、24金の黄金色の輝きが、自分の肌色になじんでいるような気がして、とてもうれしかったものです。毎日のように、左手首につけていました。

あのころのわたしは、当然のことながら、自分が将来インド人男性と結婚して、その家族からゴールドのジュエリーを贈られて、ジャラジャラとした女になろうとは、想像だにしませんでした。

祖母から母へ、母から娘へと、先祖代々受け継がれていくインドのジュエリー。夫の家族とわたしの絆を象徴する22金のジュエリーの中から、お気に入りのいくつかをご紹介します。

なお、わがインド家族は、インド人にしては、かなり上品でシンプルな嗜好です。そのおかげで、日本人であるわたしも抵抗なく身につけることができています。

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上の写真のバングルとネックレスは、わたしが初めて手にしたインドのジュエリーです。2001年にインドで結婚式を挙げたとき、夫の家族から贈られました。すでに他界していた義母の形見だそうで、どちらも義母が嫁いだときに身につけていたものです。

細めの6本のバングルは、陰影をつける繊細な細工が施してあるため、上品なデザインながらもきらきらと光に反射して、存在感があります。

バングル同士が触れ合う音も、決して「ジャラジャラ」ではなく、「シャラシャラ」という感じで、やさしげです。

このバングルは、結婚式以来、外出時には必ずつけています。わたしにとってはお守りのような存在です。思えば、わたしの手首のサイズにちょうどぴったりだというのも、縁を感じます。

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さて、こちらのネックレス。黒いビーズとゴールドのストライプがユニークなデザインです。これは、2005年の米国在住時、旅行でインドを訪れた際、ニューデリーのジュエリーショップで買いました。

夫の家族が、買い物をする気ゼロだった夫に対し、

「ミホにジュエリーを買ってあげなさい」

と言ってくれ、マルハン家御用達の店を教えてくれたのです。ワンダフルな家族です。

米国在住時代のわたしは、上記のバングルと、それまで持っていた指輪以外はほとんど身につけず、ジュエリーにさほど関心がありませんでした。

従っては、ジュエリーに対する審美眼が備わっておらず、店内に並ぶキラキラしたもののさまざまに目がくらむばかりで、いったい何を基準に選んでいいのかわかりません。

そんな中、このゴールドと黒いビーズの、コンビネーションのネックレスに目がとまりました。大振りながらも上品な輝きで、個性的に見えたのです。なお、インドのゴールドジュエリーは、どれも一つ一つが手作りなので、同じものを二つ見つけることは簡単ではありません。

わたしが「これを見せてください」と指差したところ、店の人が、少し訝しげな顔をして、「お二人は、ご夫婦ですよね」と念を押します。

店の人が言うには、これはマンガルスートラ(Mangalsutra)というもので「婚姻の象徴」「婚姻の証」なのだとか。つまりは、西欧に於ける「婚約指輪」に似た存在感のジュエリーだというのです。

通常、このマンガルスートラは、婚姻の際に、夫から妻に贈られるとのことで、すでに結婚しているわたしたちが「今更買い求める」ことに、ちょっと疑問を覚えたようです。ちなみに母国インド事情に疎かった夫は、マンガルスートラのことなど、当然知りませんでした。

インドの伝統に則って言えば、妻は生涯、肌身離さずマンガルスートラはを身につけておかねばならないとのこと。黒いビーズが魔除けとなるらしく、妻がこれを身につけることにより、夫の命は守られるのだそうです。

とはいえ、このマンガルスートラ。日常的に身につけておくには、あまりにも存在感が強すぎて、滅多につけません。

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このかわいらしい指輪は、数年前に他界した夫の父方の祖母ダディマから譲り受けたもの。彼女が結婚したときに買ったとのことなので、70年もの歴史がある指輪です。これもまた、わたしの右手の薬指にぴったりのサイズ。ダディマの形見の指輪は、サイズが合うということで、この他にもいくつかもらいました。

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上の写真は、しばしば身につけるゴールドのジュエリーです。右上のネックレスはダディマが買ってくれたもの。その下のバングルと左上のネックレス、そして指輪は、結婚後、デリーで義理の両親に買ってもらいました。

左のイアリングは、出張でチェンナイを訪れた際、ブティックで見つけてひと目惚れし、衝動買いをしたもの。ジャイプールの宝石商がデザインしたもので、小さなサファイヤが施されています。軽くてつけ心地がよく。見た目も上品なので、とても気に入っています。

深遠なるインドのジュエリー世界。わたしが知っているのは、そのごくごく断片にすぎませんが、これからも少しずつ、ご紹介していこうと思います。

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