

インドの年末年始は、お祭りシーズンに加えて、結婚式シーズンでもある。親類が少ないマルハン家界隈につき、我々夫婦は「毎年この時期は、結婚式ラッシュで大変……」ということはほとんどないが、それでも昨年末はデリーで開催された姪の結婚式にほぼフルで4日間に亘って参席した。
今月も2組の友人、遠縁のレセプションに招かれている。これまで幾度も記してきた通り、インドにおいて、おおよその結婚式は、新郎新婦二人だけのものではない。家族、親類、友人、コミュニティ、ビジネス……と、広がる人間関係の輪を強固に、あるいは拡大させる、重要なソーシャルの場でもあるのだ。

一昨日の月曜夜は、GitanjaliとSandeep Maini夫妻の長男の結婚レセプションに招かれた。今週、我が夫は不在につき、わたしは一人で京友禅サリーに身を包んで家を出る。ブランドアンバサダーの仕事はすでに終わっているが、このサリーは気に入ったので自分のために購入した。丹後縮緬の質感はドレープも美しく、本当に気に入っている。
さて、すでに先週の木曜から5日間に亘って開催されてきたという結婚式ファンクションの最終日。会場となったパレスグラウンドの広大な一画は、北欧の草原を彷彿とさせる優しい色合いの花々で彩られている。
GitanjaliとSandeepに挨拶を交わし、新郎新婦にも……と思うが、ステージは挨拶と記念撮影を待つ人々で長蛇の列。遠目から二人の門出を祝福し、グラス片手に友人知人らと語らう。ダイニングエリアにはインド料理始はじめ、さまざまな料理が並んでいるが、この日の夜、一番気になったのは「朝食メニュー」であるところのドサやワダ。それに、「たこやき?!」にしか見えない「パニヤラム paniyaram」を味わう。いずれも、おいしい。



💐
バンガロールの中心部に「Gallery G」というアートギャラリーを運営するGitanjaliは、インドの現代アートと伝統遺産の保存を目指すキュレーターでもある。Gitanjaliはまた、インドの著名な画家ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの作品を保護、研究し公開することを目的としたRaja Ravi Varma Heritage Foundationの創設者でもある。
先日、わたしは和製マジョリカ・タイルのモチーフになったインドの神々のことについて言及したが、当時、日本の職人たちが参考にしたのは、ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの作品であった。
COVID-19パンデミックによるロックダウンの時期、ミューズ・クリエイションでは多彩なジャンルの動画を制作したが、アートの部門ではGitanjaliの協力を得て、2本の動画をお借りした。それに日本語訳をつけてSTUDIO MUSEのチャネルに公開している。ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの生涯とその作品の背景がよくわかるすばらしい動画だ。
また、彼の子孫である画家Rukminiの動画も非常に興味深いので、ぜひご覧いただければと思う。なお、夫妻はSandeep & Gitanjali Maini Foundation (SGMF)も運営し、インドの芸術や文化遺産を保護、支援する活動もされている。



なお、Sandeepは、父親が創業したマイニ・グループを3兄弟で運営している。弟のChetanによって開発されたインド初の電動自動車「Reva」は、わたしがインド移住した2005年前後は、英国をはじめとする世界各国に輸出されていた。当時、自分で近所へ買い物に出かけるのに欲しいと思ったが、充電できる場所が限られていたので断念した。なお、Revaの販売部門は、のちにインド自動車メーカー大手のMahindra & Mahindraに買収されているが、現在もEV部門で同業界を牽引すべくビジネスを展開しているようだ。
思い返せば、Chetanと妻のKimとは、インド移住直後の2006年、日本料理店「播磨」で一緒に食事をしたことがあった。あれから20年……。今、自分のブログを検索してみたら、見つかった。恐るべし、我が無尽蔵の記録。

当時、インドの自動車産業が急成長していたこともあり、さまざまなリサーチを重ね、資料を作っていた。2007年くらいまでは、インドで販売されている自動車メーカーとその車種すべてを暗記していたほどのスケールだったが、今となっては進出しているメーカーの名前を覚えることさえもできそうにない。



この夜のバンドは、最高だった。終盤はステージの前でミュージシャンたちを眺めつつ、ライヴに来ているような気分で音楽を楽しんだ。いい夜だった。
新郎新婦、そしてご家族。おめでとうございます。





◎絵画を通して、神々の姿を具現化。遍く人々に版画で芸術の世界を広めた伝説のインド画家Raja Ravi Varmaの生涯
◎Rukminiの軌跡/王女であり、Raja Ravi Varmaの子孫でもある画家Rukmini。時空を超えて、艶やかに描かれた人々
◎電気自動車Reva。日本料理で会食の夕べ(2006/3)
◎魚。戦場。ゴビ砂漠。電気自動車REVAの詳細(2006/1)


コメントを残す