


2月23日の天皇誕生日に先駆けて、先週の一昨日の金曜日は、在ベンガルール日本国総領事館主催の天皇誕生日祝賀式典が開催された。会場は、昨年同様、市内中心部にあるRitz Carlton。サリーを翻しながら、優雅な気分でエントランスをくぐり……と言いたいところだが、去年に引き続き、昼過ぎに2台の車で現場入り。肉体労働に始まり、肉体労働に終わる、体力勝負の1日だった。
昨年は、京友禅サリーのブランドアンバサダーを終えた直後ながらも、まだ手元にお預かりしていたサリーがあったことから、最後のお披露目を兼ねての展示を行った。
翻って今年は、着物や雛人形の展示を依頼された。さまざまな技法のサリーや着物があるが、特にインドが起源とされる「絞り染め」と「絣(かすり)」のサリーと着物は、どちらがどちらのものなのか、わからなくなるほどに似通っていることから、敢えて同化し調和する感じを紹介したく、選んだ。1500年以上前に描かれたアジャンター遺跡の壁画で踊る女性。彼女が着ているトップは絞り染めで、ボトムは絣である。
語り始めると、尽きない。
そして雛人形。これは去年5月、チェンナイにお住まいだった駐在員夫人から、ミューズ・クリエイションの文化交流活動で使用してほしいと寄付していただいたもの。そのときの記録にも残しているが、大小たくさんの段ボールや木箱をInnovaに積んで、陸路で6時間ほどもかけて来訪されたのだ。
約40年近く、滅多に外に出ることがなかったであろう雛人形たちは、しかしこの1年足らずの間に幾度となく出番があった。我が家で開催した着物やテキスタイル関連の展示会をはじめ、日印こども壁画交流プロジェクト最終日の日本まつり、カルナータカ州商工会議所で開催された国際女性デー、そして今回。
繊細な手工芸品ゆえ、梱包や搬送にも細心の注意が必要。正直なところ……面倒くさい! と思わないでもないが、日本人、インド人を問わず、このダイナミックな本格派の雛人形に強い関心を示され、さらには南インドの人形祭りとの共通項もあって、インパクトは大きい。
今回は、金沢大学からのインターン生2名もサポートしてくれたので、随分、助かった。二人とも半年間のバンガロール滞在を終え、一人はこの日の深夜便で、もう一人は。数日後に日本へ帰国する。わずか数回ながらも、彼らと関わり、思いを伝え、さまざまな提言をし、こうして展示会の準備から接客対応までをリアルに共有できたことはよかった。
最近、若者に対しては、これまで以上に「紙に手書きで記録を残すアナログの重要性」や「自分の足で歩いてリサーチすること」、「人と出会って語り合い、五感で体験すること」、「AIには決してできない自分だけの経験を重ねること」などを強く説いている。たとえ少人数でも、それをストレートにしっかりと受け止めて、歩みを進めている人たちが存在することは、わたしにとって、希望でもある。
荷物を片付けるとき。レイアウトするとき。しつこいほどに「大きなものから片付けて」を繰り返し口にした。荷物も、クローゼットも、スーツケースも、人生の優先順位も、わたしは概ね取り巻く物事、「大切なこと」「大きなもの」を先に入れるべきと考えている。もちろん特殊な例外もあるだろうが、一般に、小さなものを先に入れると、大きなものが入らなくなる。大きなものを先に入れれば、小さなものは周囲に入れられる。

毎年、スケジュールノートを新調する。わたしのジャーナルには必ず冒頭に、年間を見渡せる見開きがある。そこに、まず絶対に行きたい旅や計画を、先に記す。その前後は必ず「余白」を作り、旅の前後が立て込まないようにする。仕事や諸々のイヴェントは、その周囲にちりばめる。
先に細かい予定をランダムに入れてしまうと、壁の再塗装のための9日間を開けることはできなくなるし、年に2回の日本旅1カ月など実現不可能だ。これは時間を有意義に大切に、そして楽しく過ごすための技でもあったと、振り返ってそう思う。
27歳でフリーランスになったとき、「年に3カ月は休暇を取り、9カ月は働き続ける」という無謀なプランを立てたが、それを2年に渡って実行できた。最終的には1年間の休暇を取ることができたのも(しかしそれが30年になるのだが)、「はじめに願いありき」だった。経済的に余裕がなかったにもかかわらず、目標を立てて動けば実現できた。
……雛人形から話が逸れたが、それが「大きなものから詰めてね」の理由である。これを最後に、彼らへの贈る言葉としたい。

今年も華やかな場にご招待いただき、多くの方々と言葉を交わす機会を得られたことに感謝します。そして天皇陛下、お誕生日おめでとうございます![]()
















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