不易流行 〜インドのファッション&ビューティ〜

FASHION & BEAUTY in INDIA/インドの多様性を映す民族衣装サリー情報をはじめ、昨今のファッションやジュエリー、コスメティクスのトレンドをご紹介。

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

  • 22design00

    インドにおいて、手工芸が生き続けている事実の裏にあるもの。ということについては、時を改めてきちんと記したいと思いつつ幾星霜。

    先日、サリーのブラウスををテイラーに注文すべく、3年ほど前まで、よく利用していたデザイナー、ヘレナのオフィスに連絡をした。

    ヘレナはもともと洋服のデザイナーで、サリーのブラウスの仕事はあまり好きではないようだったが、仕上がりがきれいなので、気に入っていたのだ。

    その後、ムンバイの二都市生活になってからは、カフパレードの自宅付近にいいテイラーがいたので、そこを使っていた。

    今回、久しぶりにヘレナに電話をしたところ、別の女性が出た。しばらく前に、ヘレナからビジネスを買い取り、同じ場所で仕事をしているという。ヤシーラという女性だ。

    ともあれ、ヘレナのときと同じ職人が作業をするというので、それならば大丈夫だろうと訪れた。

    彼女もまた、インド服よりは洋服をデザインするのが好きらしく、サンプルを見せてくれる。ウェブサイトに紹介する旨を伝えたら、あれこれと取り出してくれた。

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    艶やかな色のドレス。随所に施されたビーズワークが印象的だ。インドでは、このようなビーズワークの職人も数多く、工房で職人たちがちくちくと針仕事をしている様子を、よく見かける。

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    従来、サリーなどの民族衣裳に施されていたインドの伝統的な手法が、洋服をきらびやかかに演出するのだ。

    自分が好みの布を持参すれば、彼女と相談しながら作ってもらうこともできる。この店に限らず、このような個人経営のデザイン&テイラーのショップは、わたしが知っているだけでもバンガロールに4、5カ所ある。

    布は買い貯めているものの、つい既製品を買ってしまい。サリー以外の服を作る情熱が不足しているのだが、こういうドレスを見ていると、布を持参して、早いところ、何か作りたいものだと思う。

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    ちなみに彼女、ヤシーラはクールグ出身だという。昨年、コーヒープランテーションを訪れた、あのクールグである。

    あのときにも記したが、クールグの人々は、アレキサンダー大王遠征時に攻め入って来た兵士たちの末裔だけあり、長身で、鼻が高く、きりりとした顔立ちの人が多い。

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    シンプルなドレスも、この刺繍が入るだけで印象がかわる。何よりも、好きな色、好きな素材、好きなデザイン……と、「オリジナル」をお願いできるところがいい。

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    ビーズワークの見本を見せて欲しいと頼んだら、ファイルを持って来てくれた。以下、参考までにどしどしと紹介する。

    ご存知かと思うが、写真をクリックすると、鮮明で大きな写真が現れるので、ご興味のある方は、じっくりご覧あれ。

    もう、たまらんよ。こういうものが好きな人には。もう、どうするこれ? って感じ。

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    いかがでしょう。こういうパンチの効いた技を持つ人たちが、さりげな〜い住宅街の一隅で、さりげな〜く黙々と作業をしているインド。たまらんっすよ。ほんと。

    実は4年前、OWCのロードトリップでも、刺繍工房を訪れたことがあり、「なにか作りたい!」と思ったまま、歳月が流れていたのだった。

    そのときの記録はこちらだ。見ているだけでも心躍る、職人技の宝庫だ。

    ■豪雨の日々。余剰人員。刺繍工房を見学。2007/09/19

    この店については、後日改めて訪れて、今でも営業しているようであれば、museindia.infoに載せようと思う。

    なお、ヤシーラの連絡先は、下記の通り。あらかじめ電話でアポイントメントを入れておく方が無難だ。

    bud

    YASHILA
    97406-22717
    9/3, Hayes Road Cross, Richmond Town

  • 18india01
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    本日締め切りの『激変するインド』の原稿は、テロの話題。テーマがテーマだけに、かなり神経を使う。

    いつも思うのだが1200文字、つまり原稿用紙わずか3枚の中に、伝えたいことを凝縮するのは簡単ではない。

    あらかじめ、インドに関する知識を持っている人が読者であれば、説明を省くこともできるが、新聞読者の大半は、インドの予備知識がなく、多分関心もない老若男女。

    ブログでは書き放題で「推敲する」という作業をほとんどやらないが、文字数が限定された仕事の原稿を書くことは、当然そうはいかない。毎回、訓練のようでもある。

    pencil

    さて、原稿はできたものの、適当な写真を持ち合わせない。テロの話題に触れつつも、異教徒の共存について言及しているので、それを象徴する写真を紹介したい。

    モスク(イスラム教寺院)とヒンドゥー教寺院が隣接しているところを1枚に収めるのがよさそうだ。多分、ローカル商店街のコマーシャルストリートが適しているだろうと思うが、1枚に収まるかどうか、記憶が不確かだ。

    地図を広げてみる。改めて見ると、町中に、いかに寺院や教会やモスクが多いかということに気づく。街の至るところに、在る。

    この国の人々が、いかに宗教に帰依し、宗教に根ざした日常を送っているのか、ということが、地図を眺めるだけで伝わって来る。

    目的地はやはりコマーシャルストリートにした。昼ごろ家を出て、KFCでお気に入りのジンガーバーガーでも食べて、それから撮影に向かおうと準備をする。

    bud

    と、その矢先、友人からメール。

    先日のサリー講習参加者3名で、サリー店巡りをするとのこと。その前にローカルのミールス(定食)ランチを楽しむと書いてある。

    ミールス。久しぶりに食べたい。

    というわけで、速攻、電話をすれば、目的地は我が家とコマーシャルストリートの間あたり。急遽ランチに合流させてもらうこととなった。

    で、前置きが長くなったが、上の大きな写真がその店だ。Ulsoor Lake沿いを走るとき、その山小屋風の外観が目立って気になっていたのだが、なんの店だか知らなかった。

    聞けば、タミルナドゥ州のChettinadという土地の料理らしい。それがどこなのかもさっぱりわからんが。

    山小屋風と思っていたが、近寄ってみると「サンタフェ風」にも見える。(本気か?)

    サンタフェ風、即ちアドビ(アドベ)風、である。

    18india02 というわけで、サンタフェ。

    ふふふ。

    おわかりいただける方には、おわかりいただけよう。

    すみません。

    ちょっとやってみたかったんですよ!

    ちゃんと服着てるだけ、許して。

    (当たり前だ)

    せっかくだから、本物のサンタフェの写真も参考までに載せておこう。2005年にアメリカ大陸横断ドライヴをしたときのものだ。

    19-45 これが本物のサンタフェだ。

    ね、上の写真と、なにげに、似てない?

    なんかもうこのごろは、脳内の判断装置が破壊され気味かもしれん。

    ところでこの建物。

    サンタフェで宿泊したホテルだ。

    小高い丘の上に立つTHE BISHOP’S LODGE。本当に、すばらしいホテルだった。

    そういえば、サンタフェには日本風の温泉もあった。トレッキングルートもあったし、町中にはアートギャラリーもたくさんあって、いい場所だったなあ。

    ……と、話題を現実に戻そう。

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    メニュー。読めるがわからん。「カイ・カリ・クルマ」とか、「プーンドゥ・コズンブ」とか言われても、何の料理やらさっぱり。

    もっとも定食のミールスを頼む予定だったので、早急に理解する必要はなかったのだが、ウエイターのおじさんにあれこれと尋ねる。

    わたしはノンヴェジタリアンのミールスを頼んだ。ヴェジのミールス60ルピーに対して120ルピーと高級感あふれているが、240円くらいのものである。

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    料理は、想像以上においしかった。ローカルの店では、主にヴェジタリアンのミールスが主流だということもあり、稀少な印象だ。

    高級ホテルのインド料理レストランにもミールスはあり、かような場所ではノンヴェジはもちろん、シーフードミールスなどもあるが、最近ではもう、値段は軽く10倍。おいしくて当然という話である。

    この店、かなり気に入った。道路沿いのオープンエアということもあり、力一杯、埃っぽいが、まあ埃もスパイスのうち、などと思える人にはお勧めである。

    今度はこの店自慢のシーフード料理に挑戦してみようと思う。

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    さて、コマーシャルストリートでは、かなり理想的な写真を撮ることができて満足。紙面には違うものを使うが、左上の写真が同じ被写体だ

    ヒンドゥー寺院とモスクが見事に隣接している。右上のうなだれたロバ、いやウマ、いやラバ? は、見るからに寂しげで物憂げで、生きているのが辛そうだった。

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    撮影を終えたあと、歳月とともに裏寂れる一方のローカルなショッピングモール、SAFINA PLAZAへ。ここのサリーショップをリサーチしておきたく、数軒、巡る。

    オリッサ産テキスタイル専門店。このごろは絣(かすり)にも詳しくなったので、ちょっと足を運んでみる。

    「縦横絣(ダブルイカット)のサリーはある?」

    なんて尋ねると、店主のおじさんは、うれしそうに棚から出してくれる。

    すかさず裏返して、ダブルイカットならではの糸の処理をチェックしたりなんかするともう、

    「ずいぶん、お詳しいんですね。どうしてですか?」

    などと尋ねられる。店の人との会話を通して、新しく知ることも多く、サリーを見るということは、本当に奥深い。

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    「これが、オリッサの絣のシンボル、魚のモチーフですね」(右上写真)

    などと言おうものならもう、オリッサのおじさんもご機嫌だ。ちなみにこのサリー。今まで見た絣の中でも、かなり繊細な仕上がりであった。

    あくまでも「向学のため」に立ち寄った限りで、買うつもりはなかったので、「また来ます」と言って去った。

    去ったが今こうして見るに、このサリー、かなりいい。特にブルーの部分の紋様がすばらしい仕上がりだ。

    絣の技術、特に縦横絣(たてよこがすり)は、本当に難しいらしく(シルクフェアで説明を受けたがわからなかった)、日本とインドとインドネシアのとある島の3カ国でしか継承されていない技術だと言う。

    ちなみに絣はインドが発祥の地で、日本にもたらされたとのことである。

    ああもう、こうして書いているうちにも、このサリーがすばらしいものに見えて来るから困る。しかも、さほど高くないから困る。インドのテキスタイル。毎度、やられっぱなしだ。

    明日、自分がまた、SAFINA PLAZAへ行ってしまいそうで、怖い。

  • 15tea03

    木曜、夕食時の会話。

    妻「明日、チャリティ・ティーパーティやるの」

    「またお菓子焼くんでしょ? 僕も出席していい?」(いつもと同じ反応)

    妻「いいわけ、ないでしょ。だいたい、仕事でしょ?」

    「(オフィスから車で)5分だもん。ちょっと抜け出せるよ」(いつもと同じ反応)

    妻「抜け出さなくていいから。明日はね、インドのテキスタイル講座とサリー着付け教室をやるの」

    「ええっ、サリー着付け教室? それって、みんな着替えるんだよね! エキサイティングだね! 何人来るの? 平均年齢は? 僕も出席していい?!」(俄然、目を輝かせて、いつもとは違う反応)

    妻「いいわけ、ないでしょ! ああもう、うるさいわい!!」

    我々夫婦の日常会話の次元が低さが、偲ばれるというものだ。

    cafe

    夕食後は、ひとり静かに菓子作りのひととき。いい香りがキッチンに漂う。菓子を焼く(オーヴンを使う)のは、必ず前夜にしている。

    朝は停電が多く、自家発電装置との切り替えが頻繁になり、電力供給が不安定になるからだ。供給されていても、電流の強さが不安定なので、オーヴンの温度も一定しない。

    尤も、夜だって、そのときによって電流の強弱が異なるので、オーヴンの温度目盛りを当てにはできないのだが。多少温度調整がいい加減でも大丈夫なものばかりを作ることになる。

    シュー皮などは、多分、無理だ。

    さて今回は、いつも好評のカスタードクリーム入りフルーツタルトに加え、パンナコッタ、それに夫が大好物のタルトタタンに挑戦だ。

    パリのシャンゼリゼにある菓子の老舗、ラデュレでタルトタタンを食べて以来、彼の好物の一つなのだ。

    ところで上のフルーツタルト。インドにもニュージーランドからゴールデンなキウイが入って来ていた。日本ではだいぶ前からあるようだが、インドで見かけることはなかった。

    インドには、キウイだけでなく、ニュージーランド産のリンゴも普及している。

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    左上の写真。一見、「大学芋?」だが、これはリンゴを煮ている様子だ。このリンゴ、ロイヤル・ガラアップルもニュージーランドから。

    同じくグラニースミスなど数種類のリンゴがニュージーランドから来ている。米国ワシントン州のリンゴもときどき見かける。あとは中国産のフジが一般的か。

    右上写真は、味見用に焼いた小型タルトタタン。味見用なだけに、煮崩れたリンゴを使用。焼きたてをアルヴィンドに味見してもらったところ、「ラデュレよりもおいしい!」と、たいそう評判がよかった。

    事実やら世間の評価はさておき、夫がそう思ってくれるのなら、それはもう、幸せなことである。

    夫のこの、記憶の上書き体質、「近視眼的なコメント」が、家庭平和の秘訣かもしれん。これが転じて、大きな諍いに発展することもあるのだが、さておき。

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    インド北部でもリンゴが栽培されているが、普及する季節が限られているのに加え、流通の問題があり、バンガロールではあまり見られない。

    甘酸っぱいリンゴで、焼き菓子には向いていると思うのだが、まだ料理に使ったことはない。義姉スジャータが、かつてインドのリンゴでアップルパイを焼いていたが、非常に美味だった。

    タルト中央の黄色いフルーツは、マンゴーである。マンゴーの女王、アルフォンソのシーズンは終わったが、まだ他のさまざまな種類のマンゴーが出回っているのだ。少なくとも今月一杯は、マンゴーの季節が続く模様。

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    左上写真は、大型タルトタタン。初めて焼いた割には、見た目はともかく、おいしくできた。パリでは酸味のあるサワークリームが添えられていたので、わたしは生クリームを泡立てる。

    インドの新鮮な生クリームは、そのときどきによるのだが、酸味が強いこともあるので、ちょうどいいのだ。

    パンナコッタも濃厚においしくできあがった。見た目は白いババロアのようで、写真の撮り甲斐がなかったので、撮り忘れた。

    さて、サリー着付け教室をやるだけあり、もちろんサリー着用だ。これは、以前工芸品フェアで、職人から直接購入したヴェナレスのバラナシ・シルク。

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    この色合いが、上品で麗しく、自分に似合う色とは思っていなかったのだが、合わせてみると似合う気がして、購入したもの。

    正確には、1日目は「似合わんな」と思い、買わずに帰宅したのだが、撮影してきた写真を見て「やっぱり欲しい!」と思い、翌日、改めて買いに行ったのだった。

    かつては暖色系を好んで選んでいたが、このごろは、年齢のせいか、寒色系も悪くないと思うようになってきた。

    ■ネイチャー・バザールでインド各地の工芸品を。(←Click!)

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    サリーの世界とは、インドのテキスタイルの世界とは、本当に、広く、奥深い。

    いつもの如く、資料を用意し、自分が持っているサリーを参考資料としながら、それぞれの土地、それぞれの職人の手なるサリーを、一枚ずつ、見てもらう。

    気がつけば5年のうちにも、各地のサリーが少しずつ、買い溜められていて、15を超える技法のサリーを、資料として見ていただけた。

    インドに住み始めたのを機にサリーを買おう、と思っても、選択肢が多すぎて、なにがなにやらわからなくなるのが普通である。

    加えて、小柄で細い人が多い日本人の体型に合うもの、日本人の肌色に合うものは、インドの主流とは異なる。

    そのような事実を鑑み、各地サリーの由来などを説明しながら、数百年、ものによっては2000年を超える歴史を持つ伝統工芸の奥深さの断片を感じ取ってもらう。

    そして、実際に、さまざまな表情を持つ絹布触れてもらう。

    布だけを眺めるのと、実際に人の身体にまとったときとでは、布の持つ印象が大きく変わるのもサリーの魅力。

    丹念に織り上げられた、刺繍が施された、あるいは絞りをされた、染め上げられた、ビーズを縫い付けられた、個性あふれる布々。

    人にまとわれることによって、命を吹き込まれたかのように、生き生きとした表情を見せてくれるのだ。

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    左上は、髪を振り乱しながらサリーを広げて説明している様子。右上は、着付け教室の図。さすがに着替え中の写真は載せられないので、着用後の、小さく、雰囲気写真を。

    2人1組になって、互いにサポートしつつ、交替で着用する。わたしは、自分がサリーを脱ぎ着しながら、サリーの着用法のポイントなどを説明する。

    しゃべり続けて、結構に、体力消耗。今回は夏休み中ということで、参加者が少なめの20名だったが、20名でもう、いっぱいいっぱいだと思った。

    夏休み明けの9月開催を要望なさっている方が多いのだが、そのときに、20名を超えるようであれば、2回にわけて行いたいと思う。

    実際には、ビューティーサロンで着付けをしてもらうなど、自分で着られなくてもなんとでもなるものだが、ともあれ、講座の目的は、自分の好みを見いだし、身に纏う楽しさを味わってもらうこと

    想像以上に、みなさんがそれぞれに、自分に似合うサリーを選んで着ていらっしゃるのが印象的だった。同時に、サリーはやはり、日本人女性に似合う衣裳だということを痛感した。

    巨大なインド女性も、小柄でスリムな日本人女性も、同じ5メートルの長い布を巻き付けるということで、プリーツが増えすぎて、重い印象になることもあるのだが、素材を選べば、軽やかに着こなせる。

    重いものでも、いっそ80〜90%縮小(裁断)して、小さめサリーをあつらえるのもいいのではないかと思った。

    サリーの着用法、着こなしのポイントなどは、後日ホームページにも転載したいと思っている。

    bud

    ところで肝心の慈善活動。寄付金は6300ルピーが集められ、その他、寄付の品々もたくさん集められた。

    寄付先については、改めて検討し、告知したいと考えている。集められた寄付金と寄付の品は、わたしの方で責任をもってお預かりしておきたいと思う。

  • 10mit00

    震災から3カ月がたち、しかし、「復興」という言葉を目にするにつけ、違和感を覚える。

    地震や津波など、天災の被害に遭われた方々に対して、その言葉が使われることにはまったく異議はないのだが、こと原発となると、話は別だ。

    復興もなにも、災害は現在進行形。状況が好転する見込みがあるとの記事を目にすることはできず。

    今日は日本各地で脱原発のデモが行われていることだろう。

    わたし自身、この3カ月の間に、思うところは一定せず、意見が翻りがちなところもあったが、今は「脱原発に向ける動き」を支援する気持ちしか、ない。

    村上春樹氏が、スペインのカタルーニャ国際賞を受賞された際に、行ったスピーチの全文がネット上に掲載されている。

    それを読んで、強く共感を覚えた。

    村上春樹氏の小説に関しては、人それぞれに異なる感想を持たれるだろう。

    ともあれ、彼の翻訳された書籍は、世界各地の人々に読まれている。これまでもフランツ・カフカ賞やエルサレム賞などを受賞。

    世界の人々に向けて、言葉を発する立場にある、数少ない日本人のひとりだと思う。

    その彼が、平易な言葉で、素朴に、真理を説いているスピーチには、『非現実的な夢想家として』というタイトルに、謙虚すぎる印象を受けた以外、心より、敬意を覚えた。

    ややこしいことではない。本当に、人として、素朴に。「無常」と「効率」。

    以下、リンクをはったので、ぜひお読みいただければと思う。

    ■村上春樹さん:カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文(上)
    ■村上春樹さん:カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文(下)

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    さて、昨夜は、夫が主催したMITクラブ@バンガロールの集いに出席すべく、キルロスカ・グループ(財閥)のヴィクラム・キルロスカ邸へ赴いた。

    向こう一年は、ヴィクラムがクラブのプレジデントをつとめることになったとのこと。

    今回は、米国在住インド人のデッシュ・デッシュパンデ氏夫妻がボストンから来訪していることから、夫は彼に講演を頼んでいた。

    デッシュは米国で非常に有名な実業家であり、MITほか、さまざまな組織のボードに籍を置いている。オバマ政権の革新戦略にも携わっているとのこと。

    10dog04 約40名ほどの参加者を前に、庭の一隅で話をするデッシュ。

    時折、蛍が舞い飛ぶ、なんとも風情のある様子。

    しかしながら、話の内容。

    難しすぎて、わからん。

    耳を傾けていても、まったく内容が頭に入ってこないのだ。

    こういうとき、実に情けないものである。

    子供の時から、ちゃんと英語をやっときゃよかったよと思う。

    尤も、英語がきちんとわかっても、内容が難しすぎてついていけんということも考えられるが。講演のあとの質疑応答も活発。

    大学生だというヴィクラムの愛娘も、難解な質問をしている。ついていけん。蛍でも眺めるしかなかろう。

    このところ、夫からも、

    「英語の家庭教師をつけて勉強し直すべき」

    と言われている。ちょっと考えねば。

    10dog05 講演終了後、夫もひと言スピーチを。

    このMITクラブの発足にあたっては、彼は懸命に動いていたこともあり、さまざまなメンバーから声をかけられる。

    毎度のごとく「あなたもMIT?」と尋ねられ。

    夫婦揃って米国の大学を出ているカップルが多い中、「バーンズ&ノーブルのスタバで相席になって知り合った」という、ドラマのようだがどこか安っぽい出会い方をしている人は、ほとんどいない。

    デッシュからは、

    「今回は、招いてくれてどうもありがとう」

    と、わたしは何もしていないのだが、お礼を言われ、

    「すばらしい講演でした。こちらこそ、ありがとうございます」

    と返す自分の虚しさよ。

    彼も、彼の奥さんのジャヤスリーも、本当に物腰がやさしく、まったく奢ったところのないご夫婦。

    ジャヤスリーの妹の夫が、バンガロールきってのIT企業インフォシス・テクノロジーズの元CEOナラヤン・ムルティ。

    現在、ナラヤン・ムルティのご子息の結婚式イヴェントが行われており、夫婦揃って故郷のカルナタカ州に戻って来ているのだとか。

    実は、ジャヤスリーのお兄さんだか弟さんが日本人女性と結婚されていて、その方も米国から来ているとのこと。

    「アルヴィンドの奥様が日本人だとわかったら、彼女も連れて来たのに……」

    と、とても残念そうにおっしゃるのだった。

    カクテルの後は、食事も用意されており、円卓にて語らいながら。ヴィクラムは近々、娘とともに日本へ赴くという。

    ヴィクラムはトヨタ・キルロスカ・モーターの副会長でもあることから、日本へは幾度となく訪れているとのこと。娘は大人になってからは初めてとのことで、とても楽しみにしているようだ。

    10dog01 ところで今夜もまた、サリー着用で赴いた。

    年々、パーティでサリーを着ている女性が減っている。

    今回も、ジャヤスリーとわたしと、もう一人の年配女性だけがサリー。

    外国人なのにインドの伝統服を敢えて着るのは「どこか変わり者」な印象を与えるような気がしないでもないが、今更そんなことを気にしてもいられない。

    目立つ。という意味では、効果的である。

    移住当初は、わたしがサリーを着ることをあれほどいやがっていた夫だが、ここ数年は軟化。

    「あなたの奥さんはサリーを上手に着ておられますねえ」

    などと言われるのを、悪くなく思いはじめているようだ。

    なによりだ。

    10dog02 今夜もまた、新しい出会いあり。

    今年卒業したばかりという、初々しい青年たちも参加していた。

    わたしも若いころに、海外留学をしたかった。

    日本語だけでなく、英語でもすらすらと文章を書けるような力をつけたかった。

    今からそれをやる根性なら、ない。

    などと、思い巡らす夜である。

    ■MITの学長招いて月下の宴@キルロスカ邸(2007/11/23)

  • SIND

    UBシティの近くにあるブティック、CINNAMON。インドデザイナーズのセレクトショップで、オリジナルのインテリア雑貨やギフトに好適な商品を扱うお洒落な店だ。

    ここで、日本人のテキスタイルデザイナー、原口良子さんの展示会が行われるとのことで、赴いた。

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    20数年前より、インドへ足を運び、さまざまな布に触れ合っていらっしゃったとのこと。インドの伝統的な手紡ぎや手織りのシルクの生地に、日本の柿渋、板締めなどで染めを重ね、色を創造されている。

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    SIND(シンド)というのが、原口さんの作品のブランド名。今日は店内が込み合っていたこともあり、わたしは試着をしなかったが、何人かのインド人女性たちが着ているのを見て驚いた。

    日本人とは異なり、かなり個性的な体型の人たちが多いのだが、原口さんのアドヴァイスに従って選び着ているその服が、なんともしっくりと似合っているのだ。

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    布の織りの厚みと、色の深さが生かされた、立体的なデザイン。大胆なカットがまた、身体のラインをきれいに見せている。

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    大地や海、空や風、花や緑を思わせる、色……。

    このところ、自分の色、自分の人生の色、について思いを巡らすことがあった。というのも、5、6年前に買った服が、今の自分に似合わなくなっていることに、気づいたからだ。

    自分に似合うデザインや色は、間違いなく、変わっている。

    20代後半から30代にかけては、年齢を考えず、ただ好きだと思う物を選んで来た。いや、つい最近まで、そうだった。

    しかし、自分が好きな色と、似合う色とは、当然ながら違う。

    衣類だけではない。自分自身のテーマカラーのようなものもまた。好みの色。オーラの色。

    わたしにとって、かつてそれは、黄色やオレンジだった。

    その色の勢いを、ずっと意識せずに持ち続けてきれたけれど、40代の半ばとなってようやく、「見直さねば」と思い始めている。

    歳を重ねたなりに、似合う色がある。いつまでも元気溌剌をテーマにしているのでは、痛々しい。だからといって、黒系統の無難な色でお茶を濁すのもつまらない。

    つい先日、ムンバイからの荷物が届いたのを機に、クローゼットも整理した。

    その際、「痛々しい服」をまとめて箱に詰めた。バザーや寄付に出すために。

    これからは、量より質。着心地がよく、色がやさしく、そして自分自身が映える服を選ぶ目を、磨かねばならないような気がしている。

    とはいうものの、そう簡単にワードローブを刷新できるわけもなく。「50代まですることの、一つの目標」としよう。

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    原口さんは今日一日だけ、お店にいらっしゃるとのことであったが、商品は26日まで展示販売されている。もう一度、ゆっくりと訪れてみようと思う。

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    ■GALLERY SIND (←Click!)

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  • 31MIHO

    昨日、バンガロール在住日本人女性による『さくら会』からの集いが、バンガロール拠点のジュエリーショップで開催された。その店でプレゼンテーションを受けた後、売り場で商品を眺める。

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    ごちゃごちゃ重たいデザインが多い中、気に入ったのは、タヒチ産の黒真珠とダイヤモンドのネックレス。いきなり、着用させていただけばもう、すてき! シルエットの美しいシンプルな黒いドレスなど着るとよさそう。

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    ちょっとピンぼけだが、これはアメジスト、ピンクトパーズ、そしてダイヤモンドがアレンジされたもの。

  • 27lunch04

    OWCのスタッフの一人から、メールが届いた。Good Earthのテキスタイル商品のデザイナーをしている彼女の友人が、自宅で年に一度のセールを行うという。

    「破格値」だということで、金曜日、友人たちと訪れた。上の写真は、バンガロール中心部にある彼女の家のテラスから撮ったもの。町中でも、まだまだ緑が豊かであることに、気持ちが和む。

    これでも、十数年前に比べれば、たくさんの樹木が伐採されたとはいえ。

    27lunch05さて。 わたしは、そのデザイナーが作るオリジナルブランドの商品かなにかが売られているのだと思い込んでいた。ところが、Good Earthに卸されているのと全く同じ。「売れ残り商品」が並んでいるのだった。Good Earthのテキスタイルは、高い。最近はオーガニック素材を銘打ったものが多数で、しかしだからといって、そこまで高くてもいいのか? というほどに。木綿のシンプルな部屋着が、軽く5000円。チカンカリ刺繍のトップが15000円なんてものもあって、目を見張るほどなのだ。

    翻って、このセール。衣類の平均が約1000円。8割引き前後で売られている。驚くほど安い。もちろん利益があがるような値段設定だろうから、卸値は相当に安いのだろう。

    こんなことをして、Good Earthからはクレームはこないのだろうか。うれしいけれど、なんとも微妙な気分。この先、定価では、決して買う気にはならなくなってしまうからだ。

    などという、つべこべな所感はさておいて。

    のんびりとランチを食べたあとに訪れたこともあり、すでに「売れ残り?」な気がしないでもなかったが、それでも十分にいい買い物ができた。

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    まずはこの部屋着。今、着ているのだが、とても着心地がよい。ブロックプリントが上品なデザイン。生地はしっかりとしたオーガニックコットン。

    しっかりしすぎているのでゴワゴワするかも、と思ったのだが、そんなことはない。別の種類があったので、もう一枚買えばよかった……と、いきなり悔やむ。来年だな。

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    こちらは、楽すぎて体型が自堕落になってしまいそうな部屋着。というか寝間着。ムンバイに住んでいたころは、この手の部屋着が必需だった。なにしろ蒸し暑く、しかし冷房を入れすぎてはつらく、という時期。

    こういう軽量・ミニマムな衣類がありがたかった。ま、人には見せられん姿と化すが。

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    これらは、オーガニックの竹繊維を素材とした羽織もの。テロンテロンな感触が最高! 昨今のインド、オーガニックのテキスタイルは、綿だけでなく竹も増えている気がする。

    先だって、ムンバイ見つけた赤ちゃん用の衣類もそうだった。

    左上は、深いブルー。右上は黒。柄だけでなく、シェイプも微妙に異なっている。これがもう、非常に気持ちがよい。飛行機の長旅などに打ってつけだ。

    夏場でも、冷房の効いた場所にいるときなど、好適だろう。柔らかくて気持ちがよくて最高! というわけで、これは2枚、購入した。

    27ge03 こちらは薄紫とグレイのコンビネーションが利いたタンクトップ。そして、ストール。タンクトップは上のカーディガンと同じものがあったらしいのだが、あいにく売り切れ。おそろいで着られるとよかったのだが、まあ、仕方がない。

    このストール、というか単なる布切れがまた、気持ちがよい。好みとは言い難い柄だが、この際、柄などよい。最早、感触重視、である。

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    こういう自然のやさしさが伝わってくるような、テロンテロンの気持ちよいものに肌が慣れると、ほんと、化繊など着られませんぜ。特に暑い季節は。

    そもそもインド移住前から、化繊ものは苦手だったが、最近は本当に着なくなってしまった。

    というわけで、非常にいい買い物ができた午後であった。

  • 05mumbai51

    あっという間に日曜日だ。金曜の夜、バンガロール着。今回は、空港についた途端に「風が涼しい」と感じるよりも、「ん? 暑い?」という印象だった。バンガロールは盛夏だ。

    さて、ムンバイでの記録、まだまだ書き尽くしてはおらず、しかし残しておきたいものを取り敢えずとどめておこう。

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    表ブログにレポートしていたOM CREATIONS TRUST。訪問の後、一気にコラバまで下りて、おなじみINDIGO DELIでランチ。

    毎度おなじみのピザを食すが、なんだか味が落ちた気がする。というよりも、チーズが多すぎる気がする。

    これが好きだったのかなんだか、自分でもよくわからないまま、チーズを除去しつつ食べる。

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    ショーケースに並ぶケーキ。確かにおいしそうではあるが、この値段。本当に昨今のムンバイ、いやインド都市部の物価の格差は、著しさを極めている。

    チーズケーキ。ひとつが約600円。輸入のフィラデルフィアチーズを使っているから高いのだろうが、今や国産ブランドが次々にクリームチーズを生産している。

    そっちを使ってもおいしいものができるのでは? と思うが、ムンバイは特に「フィラデルフィア・チーズケーキ」と銘打つチーズケーキが「ハイカラ」なのである。

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    食後はコラバ界隈をふらふら散策。久しぶりにセレクトショップ、BOMBAY ELECTRICへ。

    すてきなインド・デザイナーズの衣類があれこれと。訪れるたびにお洒落な品揃えで、訪れるたびに高くなる。

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    上の写真はオーガニックコットンのシリーズ。ブランド名は忘れた。素朴で素敵なんだけど、本当にお高い。

    同じくオーガニックコットンでMASALA TEEというオーガニックTシャツブランドの商品もそろっている。

    肌触りもいいし、デザインもすてき。欲しい! と思うが、先日ニューヨークでTシャツを何枚も買ったばかり。ここでは衝動買いの衝動を抑える。

    やっぱり、ムンバイって都会だわ〜。と、しみじみ。今年後半はムンバイ訪問率が上がりそうなので、あちこちを開拓したいと思う。

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    最後にSOMAへ立ち寄るが、店舗がなくなっていた。ムンバイのSOMAは古い住居を利用した、高い天井の広々とした店で、店そのものの雰囲気がよかったのだ。

    店舗によって品揃えも微妙に異なるので、一応、立ち寄りたかったのだが、閉店とはショックである。サイトを確認したら、ムンバイ店が消えている。フェニックス・モールの中にもあったはずだが、どうしたのだろう。

    しからば、今日はホテルへ戻ろう。しかし、海沿いではなく、なぜかフォート、つまり町中を通過したいという衝動がわく。

    海沿いの道は確かにきれいで速やかだが、町中を走る方が、街の様子が見られて楽しいのだ。

    ドライヴァーにわざわざ迂回してもらい、ライオンゲートの方から北へ目指す。……と、車窓から気になる看板が目に飛び込んで来た。

    ルドラクシャーとジェムストーン(宝石)の写真。車を止めてもらい、その怪しげな店へ入ることにした。

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    それはもう、いかにもムンバイらしい、怪しげにもほどがある感じの、古びたたたずまいのビルディングである。薄暗い階段を上ると、狭い店舗があり、お兄さんが対応してくれた。

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    狭い部屋いっぱいに、鉱石(ミネラル)がひしめいている。ここはルドラクシャーや鉱石、宝石の卸店らしい。

    インドでは占星術に基づいた「守護石」を身につけるのが一般的だが、わたしは自分の守護石を知らなかった。きちんと資格を持っている人に見てもらいたいと思いつつ、今日まで来ていた。

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    対応してくれたお兄さんは、ファミリービジネスでこの仕事についているらしく、子どものころから石に親しみ、かつ学校でGEMOLOGYを専攻した宝石鑑定家。もちろん、占星術の知識もあるとのこと。

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    入り口に「相談無料」とあったのは、守護石を教えてくれるのに違いないと思い尋ねたところ、見てくれるという。

    ともかくは、店内をあれこれと眺めたあと、自分の守護石を見てもらうことにした。

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    右上。化石で作られたタイル。化石は光を通すから、テーブルトップにして下からライトで照らしたりしてもいい感じだろう。

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    欲しい! と思ったが今回は見送ったピラミッド。瞑想のときに見つめるとよいらしい。

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    さて、あれこれを見せてもらった後、階下の事務所に通される。まずは、自分の守護石をみてもらうべく、誕生日と生まれた場所、そして生まれた時間帯を告げる。

    お兄さんがコンピュータにデータを入力すると、チャートのようなものが出て来る。そこに、いろいろな専門用語が記されている。

    そこにいきなり守護石の名前が書かれているのではなく、星の動きや傾向などが現れていて、それを元に、彼が相応しい石を教えてくれるのだ。

    といっても、目的によって石は異なる。

    たとえば、わたしの場合。心の平穏、内省的な事象に対して、助けになってくれるのは真珠だと言う。一方、自分を有効利用すべく仕事に対しては、エメラルドがよいという。

    ちなみに真珠は、「養殖もの」ではだめで、天然の真珠でなければならないとのこと。

    いまどき、天然真珠など、殆ど市場で手に入らないと思うのだが、この店には、あった。しかも少量で形がよくないものだが、なにしろ天然である。

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    小さくても、形が悪くても、効果は変わらないという。ジュエリーというよりはお守り感覚である。真珠だけが大半だったが、サンプルのペンダントヘッドがあった。

    お兄さんの指と比べてわかるとおり、非常に小さい。小さいが、やさしげで、愛らしい。月を思わせる真珠。

    マットが汚いのは、見逃してくれ。

    ちなみに真珠はシルヴァーと組み合わせる方が力を発揮するとのこと。ゴールドではなくシルヴァーで指輪やペンダントを作るといいらしい。

    指輪は「小指に」するように言われた。

    真珠だけを買って指輪を作ろうかと思ったが、今日のところは、そのペンダントヘッドに引かれて買うことにした。エメラルドに比べてお手頃だということもある。

    インドでは、養殖真珠がかなりリーズナブルなため、この大きさでこの値段は高いかも、と思ったが、冷静に考えたら安い。興味のある方は、下記のサイトに値段が書いてあるので、ご覧いただければと思う。

    ■RUDRA BLESSINGS (←Click!)
    ○Astro Gemstones

    ロハンという名のお兄さん。インターネットを駆使してのビジネスを目指しているようで、ネットでの販売も海外へ向けて行っているという。

    サイトもかなりきちんと仕上がっている。Facebookを開くや、あっというまにわたしを見つけて、お友達リクエストメールを送っていた。

    ともあれ、それなりに信頼できそうな店でもあり、なにより、「卸値」が魅力的。

    ちなみにアルヴィンドは、ビジネスにおいて赤珊瑚がいいらしい。

    かつては「男が指輪なんていや」と言っていたが、打診したところ、

    「ミホがしろというならする」

    と、軟化しているので、この際、お守り気分で赤珊瑚の指輪を作ってもらおうかとも思う。その前に、自分のエメラルドか。

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    そうそう、肝心のこの店のウリであるルドラクシャー。これは、菩提樹(金剛菩提樹)の実で、数珠などに使われるもの。

    このルドラクシャー。インドでは非常に重要な「守護グッズ」であり、その形状や入っている筋の数によって、多様な効用があるとされている。

    一覧表を見せてもらいつつ、ふむふむと興味深い。

    ■Rudraksha (←Click!)

    筋の数によっては非常に希少価値が高いものもあり、数十万円で取引されるものもあるとか。この梅干しの種みたいなのが? と思うが、なめちゃいかんようだ。

    というわけで、わたしは梅干しの種、いや菩提樹の実を2つ購入。一つは「夫婦円満」。もう一つは夫のため。自分は真珠を買ったので。

    これらは、欲しいと思っていたものなので、衝動買いOKである。まあ、こういうものは、信じる信じないは本人次第。

    効果を期待するというよりは、お守りを持っておく、数珠を持っておくことで安息を得られるかも、というところである。

    エメラルドや真珠に関しては……。お守り以上に「身に付けていてうれしい」気分が満点だが。

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    これは夕べの写真。久しぶりにスジャータ&ラグヴァンと共にITC WINDSORでディナーを共にした。

    早速、天然真珠なペンダントをつけてみたが……。ちっちゃ!

    インドのゴテゴテ存在感満点なジュエリーを見慣れた目には、最早、肉眼では確認できぬ。というのは大げさにしても、小さい。

    ペンダントがよく見えるように写真を大きくしたら、お肌のシミやらシワやらまでもが拡大されるので、これが限度やね。

    見えんし。

    が、まあ、これはこれでよし。お守りだもの。

    ちなみに、スジャータの守護石も真珠らしい。

    「天然真珠はなかなか手に入らないから、持ってないの」

    という彼女。今度、彼女のプレゼントに天然真珠を贈ろうと思う。

    それにしてもムンバイ。アンテナの感度を上げて巡れば巡るほど、いろいろな発見があって楽しい。インドの尽きない魅力をひしひしと感じつつの3泊4日であった。

  • 30kocho07

    本日は、布の話題。いつも書きたいと思いつつ書き損ねていたこの布について。ガーゼのような生地の、大判のストール(デュパタ)だ。

    昨年、母がインドに来たとき、SOMAで二人して購入した。「柄の地味さ」はさておき、その感触に惚れたのだ。

    これがもう、予想以上に活躍してくれる。「外敵から保護してくれるヴェール」とでも言おうか。通気性がいいので、頭からかけても苦しくない。つまりはさまざまな用途に利用できるのだ。

    ●冷房のついていない市井のタクシーに乗ったときなど、頭からすっぽり被る。排気ガス&日差しから守られる。

    ●飛行機内での睡眠中も、やはり頭からすっぽりと。繭の中に入っているようで、かなりよく眠れる。

    ●安宿に泊まる時など(泊まるのか?)、ブランケットの首周りをカヴァーすると、清潔さを保てる。バックパッカーだったころの自分に贈りたい。

    ●暑いけど寒い時(冷房の効き過ぎ、ファンが強すぎ)のとき、羽織ると快適。

    ●蚊帳や蚊取り線香などがないときに、身体に羽織る。「ポータブル蚊帳」として活躍。

    ●赤ちゃんの抱っこ帯(端と端を結んで赤ちゃんを中にいれ、首から下げる抱き方)にも好適。ちなみに「発展途上国」によく見られる抱き方だが、赤ちゃんは気持ちよさげである。

    ●風邪のひき始めなど、首に巻いて寝るとよい。

    ……と、あれこれ、応用が利く。

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    旅に好適な理由の一つに、布が薄いので洗濯をしやすいことも挙げられる。しかもすぐに乾くのがよい。

    複数枚持っていれば、行きに使ったものは洗わずとも、旅の途中の洗濯物などを風呂敷代わりに包んで、持ち帰ることもできる。

    わたしは一枚しか持っていなかったのだが、今回の米国旅で、その利便性を痛感したことから、夫の分も含めて何枚か仕入れるべく、SOMAを訪れた。

    ガーゼ素材のストールは数が少なく、あいにく「これ!」という柄はなかったが、この際、柄は二の次だ。実用性重視で3枚購入。これはプレゼントやお土産にも喜ばれるだろう。

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    ちなみにお値段は、それぞれに微妙に異なるが、いずれも1000円未満。お手ごろである。女子に限らず男子にも便利な品である。お試しあれ。

    さて、巨大ガーゼ布だけでなく、ほかにも「いい感じ」を見つけてしまい、ついついご購入。

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    お手頃価格がむしろ危険。ついつい「買っちゃえ!」な気分を盛り上げてくれる。上の2枚は、シルクとコットンの混紡。やや光沢がある。

    いずれもやはり、1000円程度である。心置きなく、洗濯して、がんがん使えるところが魅力だ。

    左上など、シマウマ柄がなんとなくファッショナブル且つファンキーである。しかもゴールドが施されていて、そこはかとなく高級感があるし。1000円程度だけど。

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    ついでに、クローゼットの中から数枚をピックアップ。左の2枚は、5年ほど前に購入したANOKHIもの。右の3枚はSOMAもの。

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    この素材の雰囲気、なんと呼ぶのだろう。しわしわが寄った「ちりめん風」である。軽くて、シワを気にしなくていいのがよい。ちなみにインド、この素材のストールも多い。

    ぐるぐる捻ってひとまとめにして収納。のタイプである。右上のように、ビーズなどのフリンジがちゃらちゃらとくっついているのがまた、さりげなくかわいらしい。手が込んでいるのである。

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    左上はガーゼ風、右上は純粋に「木綿」なあっさり仕上げ。これらはもっとも小さいサイズを購入した。日本の手ぬぐいを一回り大きくしたくらいのサイズ。

    外出時のハンカチ代わりに便利だ。なにかと汚れるインド。店頭で本を触れば埃でザラリ。牛乳を触れば漏れてウェット。果物を触れば果汁べったり……。

    そんなとき、この布が便利なのだ。お買い物時、バッグの取っ手にでも結びつけておけば、すぐに拭ける。最早ファッション性よりも実用性。洗濯を重ねても、色が落ちる程度で、基本、丈夫。

    以上、便利布のご紹介でした。

  • 05silk10

    昨日は、ウガディと呼ばれる南インドの正月であることはどこかで記した。

    その正月セールの広告で、気になるサリー店を見つけた。タッサーシルク、オーガニックシルクなどを扱う店が、コマーシャルストリートの近くにできているようなのだ。

    早速、BODY CRAFTでマッサージを受けたあと、訪れたその店はJHARCRAFT。クラフトなご縁である。

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    以前は別のサリー店が入っていたそこに、昨年8月にオープンしたという。ジャールカンド州の政府公認の工芸品店らしい。

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    看板の文字に、たいそうそそられる。今日はあまり時間がないので、取り敢えずニューヨークの友人へのお土産の、ストールだけを購入しようと思うのだが……。そうは問屋が卸さないのである。

    やっぱり、あれこれと、見ずにはいられないのである。

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    あ〜もう、なんてきれいな色! この色の組み合わせがもう、たまらん!! タッサーシルクの上品な光沢が生きたサリー。肌触りも柔らかく、軽やかで……。

    「今日は、時間がないので、ストールだけを買いたいんだけど……、あ、あれも見せて。それもいいわねえ」

    と、急いでいる割に、次々に広げてもらい、写真まで撮らせてもらい、なにやら落ち着きのない客である。

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    タッサーシルクやエリシルクの、素朴な織のサリーのほか、カンタ刺繍が施されたサリーも豊富にそろっている。これはもう、見ていてはきりがないほどだ。

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    カンタ刺繍はコルカタのある西ベンガル地方の刺繍だと思い込んでいたのだが、ジャールカンド州のものらしい。

    「ジャーカンド州は、東インドですよね。コルカタに近いのですか?」

    「いいえ。カンタ刺繍はジャールカンド州のものです」

    店のお姉さんと、話がかみあわない。

    「ジャールカンド州は、MSドーニーの故郷です!」

    クリケットのヒーローの故郷とは。そりゃすごい! 

    だからって、「ああ、あそこね〜!」とわかるわけもなく。

    家に帰って地図で調べたら、西ベンガル州の西隣の州であった。近いじゃん、コルカタから。まあ、バンガロールからチェンナイくらいの距離感はあるにしても。

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    サリーを見ていてはエンドレスなので、ストールを探すことにする。そらもう、カラフルなシルクのストールがたっぷりと。

    お土産を選んでいるはずなのに、またしても「自分にも」な衝動が沸き上がり、あれこれと羽織る。

    日本円にして1000円未満という、リーズナブルさがまた、購買意欲をそそる。

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    サリーやドレスマテリアルのほか、普通の布も販売されている。好みのシルクを見つけて洋服を作ることも可能だ。

    布以外にも、ジャールカンド州の工芸品があれこれと置かれている。

    紀元前からの歴史を持つメタルワーク(ドクラ)も、あれこれと飾られていた。

    我が家にもいただきものが一つあるが、あまり好みではないこともあり、かなり「無碍に」扱われている。もうちょっと、丁寧に飾るべきか。

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    購入時、小冊子をもらった。ジャールカンド州の手工芸品に関する情報誌だ。こうして見るにつけ、インドの手工芸品の歴史の深さ、幅の広さを、改めて感じずにはいられない。

    今後も、こういう店で買い物をしたいと思わされるのであった。また、改めてゆっくりと赴こうと思う。

    ■JHARCRAFT (←Click!)