不易流行 〜インドのファッション&ビューティ〜

FASHION & BEAUTY in INDIA/インドの多様性を映す民族衣装サリー情報をはじめ、昨今のファッションやジュエリー、コスメティクスのトレンドをご紹介。

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    脱ムンバイも無事終了し、一昨日11日の夜、バンガロールに戻って来た。バンガロール空港に降り立ち、その軽くて涼しげな空気に包まれると、いつも本当に、心底リラックスする。

    家に戻れば、メイドのプレシラがクリスマスツリーを用意しておいてくれて、ようやくクリスマス気分を味わう。しかし今が12月で、年の瀬だということが、少しもピンとこない。

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    一昨日は、車をバンガロールへ運んでもらうべく業者に来てもらったり、最後の片付けをしたり、スーツケースに荷物を詰め込んだりしたあと、夕方の便に乗るべく、家を出た。

    ムンバイ空港。

    また来月早々に来るのだが、ともあれお別れ気分のムンバイ空港だ。エントランスにて、いつも撮りたかったが隠し撮るチャンスを逸していた「怖すぎる光景」を激写することができた。

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    どこが怖いの?

    とお思いの方。上の写真を拡大して差し上げましょう。

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    ふふふ。いやでしょ〜?!

    昨年のムンバイ同時多発テロ以来、インド各地の空港で見られるこの光景。空港のみならず。高級ホテルなどでも一般的な光景だ。AK47、カラシニコフのある風景は、インド生活の一部である。

    空港ではこのようなブースが設けられ、いつでも狙撃できるよう、銃が台に載せてある。台の波波なシェイプが手作りっぽくてインド的だ。いや、言いたいのはそういうことではない。タクシーを降り、毎度この銃口の前を通過しなければならないのが、いや〜な感じなのである。

    いや〜な感じを通り越して、やめてほしいもう一つの光景がある。

    まだ激写するに至っていないが、それは椅子に座った兵士が、カラシニコフの銃口を上にして、地面と垂直に置き、銃口の上にてのひらを、そしてその上に顎を載せてくつろいでいる姿だ。

    おわかりいただけるだろうか。

    安全装置がかかっているのだろうが、あまりにも、見たくない光景である。銃が暴発したら、頭がぶっ飛ぶぞ。と想像するだけでおそろしい。暴発しないんだろうけれど。

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    さて、飛行機は、荷物が多いことからビジネスクラスにアップグレードしていた。夫がプレミアム会員であることから、二人合計で75キロまで載せてもいいとのことである。

    スーツケースその他、大小合計8個にもなり、「これは75キロ超えたな」と思いつつも、「まあ、インドだもの。適当に夫が交渉してくれるだろう」と、妻は大きく構えていた。

    海外旅行の際は、超過料金をとられることもあったので、出発前に体重計で重量チェックを怠らない神経質なわたしだが、インド国内となると、急に別人格な余裕である。インドだもの。

    さて、チェックインカウンターですべての荷物の重量をチェックしてもらったところ……ちょうど100キロであった。激しい。激しすぎる。

    しかし予想通り、夫のスウィートなスマイル&穏やかな話術による交渉の結果、ノープロブレムであった。インドだもの。わたしもずいぶんと、ダブルスタンダードな人間になってしまったものだ。

    12leave07 機内では、夕食にはまだ早い時間だったので、スナックが出た。

    スナックとはいえ、結構しっかりとした食事である。

    夫はチキンのサンドイッチを、わたしはヴェジタリアンのインド料理を選んだ。

    ジェット・エアウェイズの機内食は、なかなかにおいしいので完食である。

    ムンバイを離れるにあたってのセンチメンタルな心情は、別人格ブログに記しているので、読んでいただければと思う。

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    さて、昨夜は半年に一度開かれる日本人会総会であった。この間、KALA KIKETANで一目惚れして購入したサリーを着ていった。

    一目惚れしただけあって、自分で言うのもなんだが、似合っている気がする。

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    半年に一度のこの会合。常に出会いと別れが交錯している。4年の間に、何度、「はじめまして」と「お元気で」を繰り返したことだろう。

    袖振り合うも多生の縁。

    赴きたい時に、赴きたい場所へ、赴こう。

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    【最新の別人格ブログ】

    shine インド発、元気なキレイを目指す日々。(←老若男女問わぬはず)

    ■菓子焼く愉しさ。アメリカでのベイキング
    ■忘れ得ぬ、餞(はなむけ)のことば。
    ■立つ取り跡を濁さず。は、自らのため。
    ■26℃のクリスマス@バンガロール

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    ほぼ常夏のムンバイは、毎日気温が30℃を超える「夏の日々」だったのですが、高原のバンガロールに戻って来た途端、ぐっと気温が下がり、夕べは肌寒いほどでした。

    不在中、メイドに管理を頼んでいたバンガロール宅には、すでにクリスマスツリーが飾り付けられていました。日中はそれでも25℃を超えるバンガロールですが、これで少しクリスマス気分を演出できました。

    なにしろムンバイでは、クリスマス気分ゼロどころかマイナス。今、自分が何月に存在しているのか、ときどきわからなくなる始末でした。

    「あれは確か、2年前。桜が散り始めたころだった」とか、

    「忘れもしない、5年前の初雪の朝」とか、

    「去年の紅葉は見事だった。あの夜の京都を忘れない」

    などといった記憶のたどり方を、ほとんどできないのです。

    暑いか、ものすごく暑いか、蒸し暑いか、ものすごく蒸し暑いかが大半で、たまに風が涼しい、空気が軽い、しのぎやすい、といった気候が織り混ざる程度なのですから。

    記憶は茫洋としてとらえどころなく、過去の記憶をたどるのに、ブログやジャーナルが不可欠でもあるのです。

    四季があるということは、豊かな情趣を育むことはもちろんですが、記憶に区切りをつけることの助けにもなっているのです。

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    さて、今日はなぜサリー姿かといえば、半年に一度行われるバンガロール日本人会総会(パーティ)が開かれたからです。

    インドのIT都市であり、海外企業の進出が著しいバンガロール。日本の企業も年々増えており、在留邦人も増加の一途をたどっています。最近では日本領事館も設置され、首都デリーに次いでインドで2番目に在留邦人の多い都市になっています。

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    各種連絡事項が発表されたあとは、領事の音頭で乾杯をし、ディナータイムです。出席者は、ワインやオリエンタルのブッフェを味わい、楽しいひとときを過ごしました。上の写真は、コーラスグループの歌が披露されているところです。

    サリーを来て参加される人たちも多く、ジュエリーもきらびやかに、華やか、賑やかです。メイドに着付けをしてもらう人、ビューティーサロンでヘアメイクと着付けをしてもらう人など、みなそれぞれに苦心しながらも、おしゃれを楽しんでいるようです。

    わたしも一度、ビューティーサロンでインド的メイクアップとヘアスタイリングをお願いしたいと思っているのですが、なかなか機会がありません。近々、試してみようと思います。

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    ところで今日、わたしが着ているのは、ムンバイで先日購入したパルシー (PARSI) の伝統刺繍のサリー。パルシーとは、ムンバイに居住者の多い、ペルシャ(現イラン)出自の人々で、ムンバイではこの「パルシー・ワーク」というサリーが比較的多く見られます。

    以前、ご紹介したKALA NIKETANという老舗サリー専門店で購入したものです。

    ここでは、まるでタペストリーのような鳥の刺繍のサリーを紹介していますが、このとき、どうしてもパルシー・ワークのサリーが欲しくなりました。とはいえ、タペストリーはどうにも重厚すぎます。

    店のお兄さんは、

    「これはお値打ちものですよ。芸術品ですから。子孫にも残せる貴重な一枚になるに違いありません」

    としきりに勧めますが、値打ちよりも、存在しない子孫のことよりも、今自分に似合うものが欲しいのです。あれこれと探した結果、気に入ったものは2枚ほどあったのですが、パーティーに着るには地味、普段には派手という微妙な存在感です。

    「やっぱり今日はやめておきます。あなた方が勧めるパルシー・ワークは、まるでタペストリーで、芸術が歩いているみたいだし、一方この2枚のサリーはちょっと、物足りないし。中間ぐらいの値段と華やかさのものがあればいいのだけれど」

    そう言ったが早いが、お兄さん。

    「じゃ、これはどうですか?」

    と棚の下の方から取り出して見せてくれたそれがもう、ビンゴ!

    一目見た途端、試す前から購入即決。

    なぜそれを最初に出さない? との疑問が残りますが、そこはインド。ミステリアスは日常です。ともあれ、それがこのサリーなのです。

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    感動的なほど、わたし好みの色柄デザインです。こういう一枚に出合えるということは、まさに「一期一会」。これを買わずにいられましょうか。いや、いられません。

    実は、サリーを買う前に、「ボッティチェリの、プリマヴェーラのようなイメージのサリーが欲しい」と思っていました。このサリーはわたしにとって、まさしくプリマヴェーラの印象だったのです。

    「どこが?」と思われる方もありましょう。あくまでも、イメージです。

    5メートルの一枚布の、7割以上にぎっしりと、丁寧な手刺繍が施された、世界に一枚しかないサリー。にもかかわらず、先進国でドレスを購入するのと変わらない程度の値段で、手に入れることができます。インド生活の醍醐味です。

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    ところで今夜は夫にも、パーティに同行してもらいました。夫は日本語を話せませんが、英語を話せる方々との会話を楽しんでいたようです。気がつけば、すっかりほろ酔っていました。

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    ちなみにこれは、今日、夫が締めていたネクタイ。日本人会に因んで、日本で買った、日本的なネクタイを選んだとのことです。かわいいでしょ?

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    インドのジュエリー事情。たとえば、プレシャス・ストーン(貴石)やセミ・プレシャス・ストーン(半貴石)などのジェム(宝石)を巡るお話は、また後日に譲るとして、今日はまずインドのゴールド、金をご紹介しましょう。

    世界最大の金消費国であるインドでは、古くから22金(22K/カラット)のジュエリーが愛されてきました。22金は純度が高く、黄色がかった明るさで、まさに「黄金色」です。

    純度100%の金が24金(純金)とされており、24という数字が基準になります。22金は金の含有率が22/24、つまり91.7%、18金は18/24で75%という具合に計算されるのです。

    22金は24金ほど柔らかくなく、また18金ほど硬くないため、加工しやすくジュエリーに適しているそうです。

    インドの結婚式において、花嫁はたくさんのジュエリーを身に着けるということを先日記しましたが、金のジュエリーは、装飾品としてだけでなく、資産の一つとも考えられています。

    金のジュエリーは購入の際、店頭で重量を量ってもらい、そのときどきの相場に合わせて料金が決まります。

    わたしは夫と出会う前、20代前半のころから、ゴールドのジュエリーに関心を持っていました。当時は、自分で買えるような経済状態ではなかったのですが、たとえば広告などで、イタリアの大振りなゴールドのバングルなどを見るにつけ、「いつか欲しいな~」と憧れていました。

    わたしが自分で初めてゴールドのジュエリーを買ったのは29歳のとき。バンコクのゴールドショップで買い求めました。収入の大半を海外旅行費に宛てていた当時のわたしにとって、それは思い切った買い物でした。

    決して「大振り」ではありませんでしたが、24金の黄金色の輝きが、自分の肌色になじんでいるような気がして、とてもうれしかったものです。毎日のように、左手首につけていました。

    あのころのわたしは、当然のことながら、自分が将来インド人男性と結婚して、その家族からゴールドのジュエリーを贈られて、ジャラジャラとした女になろうとは、想像だにしませんでした。

    祖母から母へ、母から娘へと、先祖代々受け継がれていくインドのジュエリー。夫の家族とわたしの絆を象徴する22金のジュエリーの中から、お気に入りのいくつかをご紹介します。

    なお、わがインド家族は、インド人にしては、かなり上品でシンプルな嗜好です。そのおかげで、日本人であるわたしも抵抗なく身につけることができています。

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    上の写真のバングルとネックレスは、わたしが初めて手にしたインドのジュエリーです。2001年にインドで結婚式を挙げたとき、夫の家族から贈られました。すでに他界していた義母の形見だそうで、どちらも義母が嫁いだときに身につけていたものです。

    細めの6本のバングルは、陰影をつける繊細な細工が施してあるため、上品なデザインながらもきらきらと光に反射して、存在感があります。

    バングル同士が触れ合う音も、決して「ジャラジャラ」ではなく、「シャラシャラ」という感じで、やさしげです。

    このバングルは、結婚式以来、外出時には必ずつけています。わたしにとってはお守りのような存在です。思えば、わたしの手首のサイズにちょうどぴったりだというのも、縁を感じます。

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    さて、こちらのネックレス。黒いビーズとゴールドのストライプがユニークなデザインです。これは、2005年の米国在住時、旅行でインドを訪れた際、ニューデリーのジュエリーショップで買いました。

    夫の家族が、買い物をする気ゼロだった夫に対し、

    「ミホにジュエリーを買ってあげなさい」

    と言ってくれ、マルハン家御用達の店を教えてくれたのです。ワンダフルな家族です。

    米国在住時代のわたしは、上記のバングルと、それまで持っていた指輪以外はほとんど身につけず、ジュエリーにさほど関心がありませんでした。

    従っては、ジュエリーに対する審美眼が備わっておらず、店内に並ぶキラキラしたもののさまざまに目がくらむばかりで、いったい何を基準に選んでいいのかわかりません。

    そんな中、このゴールドと黒いビーズの、コンビネーションのネックレスに目がとまりました。大振りながらも上品な輝きで、個性的に見えたのです。なお、インドのゴールドジュエリーは、どれも一つ一つが手作りなので、同じものを二つ見つけることは簡単ではありません。

    わたしが「これを見せてください」と指差したところ、店の人が、少し訝しげな顔をして、「お二人は、ご夫婦ですよね」と念を押します。

    店の人が言うには、これはマンガルスートラ(Mangalsutra)というもので「婚姻の象徴」「婚姻の証」なのだとか。つまりは、西欧に於ける「婚約指輪」に似た存在感のジュエリーだというのです。

    通常、このマンガルスートラは、婚姻の際に、夫から妻に贈られるとのことで、すでに結婚しているわたしたちが「今更買い求める」ことに、ちょっと疑問を覚えたようです。ちなみに母国インド事情に疎かった夫は、マンガルスートラのことなど、当然知りませんでした。

    インドの伝統に則って言えば、妻は生涯、肌身離さずマンガルスートラはを身につけておかねばならないとのこと。黒いビーズが魔除けとなるらしく、妻がこれを身につけることにより、夫の命は守られるのだそうです。

    とはいえ、このマンガルスートラ。日常的に身につけておくには、あまりにも存在感が強すぎて、滅多につけません。

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    このかわいらしい指輪は、数年前に他界した夫の父方の祖母ダディマから譲り受けたもの。彼女が結婚したときに買ったとのことなので、70年もの歴史がある指輪です。これもまた、わたしの右手の薬指にぴったりのサイズ。ダディマの形見の指輪は、サイズが合うということで、この他にもいくつかもらいました。

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    上の写真は、しばしば身につけるゴールドのジュエリーです。右上のネックレスはダディマが買ってくれたもの。その下のバングルと左上のネックレス、そして指輪は、結婚後、デリーで義理の両親に買ってもらいました。

    左のイアリングは、出張でチェンナイを訪れた際、ブティックで見つけてひと目惚れし、衝動買いをしたもの。ジャイプールの宝石商がデザインしたもので、小さなサファイヤが施されています。軽くてつけ心地がよく。見た目も上品なので、とても気に入っています。

    深遠なるインドのジュエリー世界。わたしが知っているのは、そのごくごく断片にすぎませんが、これからも少しずつ、ご紹介していこうと思います。

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    米国在住時代のわたしは、ジュエリーにさほど関心がありませんでした。

    指輪と、そして夫の亡母の形見であるバングルは日常的に身につけていましたが、ネックレス類は肩が凝ると思い込んでいたので、「ハレの日」以外にはほとんど使いませんでした。

    そんなわたしが、インド移住を目前にして、ピアスホールを空けました。

    夫の家族からもらっていたイアリング(ピアス)を身につけたいということもありましたが、インドに住めば、間違いなくジュエリーの虜になるであろうとの予感があったからです。

    インドはジュエリー王国。金、銀、天然石、真珠……と、人々は日常的に宝飾品を身につけています。激しくも大振りなジュエリーが、ごくごく普通に店頭にディスプレイされているのです。

    インド移住当初は、シルヴァーとセミプレシャス・ストーン(半貴石)の組み合わせのジュエリーの安さに、衝動買いを連発していましたが、最近は、身につけていて「心地が良い」と感じる品質のよいものを、少しずつ買い求めるようになりました。

    今後は、インドのジュエリー事情を何度かに分けてご説明するとともに、わたしが気に入っているジュエリーについても、少しずつ、ご紹介しようと思います。

    さて、上の写真の指輪。わたしの左手の中指に、いつもおさまっている指輪です。ムンバイにあるホテルのジュエリーショップで見つけました。

    「なに? この派手な指輪は?」

    と思われることでしょう。マルチカラーと呼ぶには洗練されていなさすぎる色遣い。事情を知らなければ、欲しいとは思わなかったであろうこの指輪。事情を知ると、これがついつい、欲しくなってしまうのです。

    この9つの石は、ナヴラトナ・ストーンズ (Navratna Stones)、あるいはナブラタン・ストーンズ (Navratan Stones) と呼ばれるもの。

    インドで古くから親しまれてきたこのナヴラトナ・ストーンズは、太陽及び太陽系の惑星(プラス恒星)を表していて、幸運を招くと言われています。

    ナヴラトナ・ストーンズのことは、インド移住当初に知ったのですが、大振りなペンダントヘッドや、首に激しく負担がかかりそうな巨大なネックレスとして売られていることが多く、「欲しい」と思えるものが見つかりませんでした。

    ところがこのときは違いました。この小さめでかわいらしいデザインの指輪をショーウィンドーに見つけた瞬間、店内に吸い込まれました。試してみれば、わたしの指にぴったりサイズです。これを買わずにはいられましょうか。いや、いられません。

    ところでインド占星術では、出生データから9つの星の状態を調べ、自身に見合った宝石を選び、身に付けることを勧めています。それぞれの石にヒーリング効果があり、自分にふさわしい石を着用することで運気を高めるというのです。

    つまりは、自分に合う一つを選べばいいわけで、9つ全部を身につけることもないのですが、なんとなく「太陽系ひとまとめ」というダイナミックなコンセプトにひかれました。

    ナヴラトナの9つの石の構成や、星との関連性は、文献によって若干異なるのですが、わたしが購入した指輪の構成をもとにご紹介します。中央から時計回りに、

    ・ルビー(太陽)
    ・ダイヤモンド(金星)
    ・ヘソナイト(RAHU)
    ・真珠(月)
    ・珊瑚(火星)
    ・ブルーサファイア(土星)
    ・キャッツアイ(KETU)
    ・イエローサファイア(木星)
    ・エメラルド(水星)

    という構成です。RAHU/ KETUというのは、日食や月食に関連する言葉で、神話に登場する神の名としても知られています。

    この指輪を購入したのは今から1年半前、二都市生活を始める直前でした。当時、わたしたちはムンバイでのアパートメントを探し始めていたのですが、この都市の不動産の著しい高さとクオリティの著しい低さに打ちのめされていたところでした。

    ところが! 指輪を購入してまもなく、思いがけず良好な物件が見つかり、入居が決まったのです。わたしにとってはたちまち「幸運を招く指輪」と化しました。夫は「偶然に決まってるじゃない」と言い張りますが。まあ、確かに偶然だとは思いますが……。

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    上の写真は、まだ引っ越しをする前の、ムンバイ宅の一隅です。明るい日差しが降り注ぐダイニングルームに、ガネイシャ像が飾られていて、「ここはいい物件!」と直感しました。

    バンガロール本宅と、このムンバイのアパートメントを行き来しながらの日々も、しかしまもなく終わります。実は来週、このムンバイ宅を引き払い、一旦バンガロール一都市生活に戻るのです。

    とはいえ、夫の仕事の都合によって、また近々ムンバイ、もしくは他都市での二都市生活が始まる可能性大ですが、ともあれ、この家とはお別れです。

    今、ムンバイでの暮らしを反芻しつつ、少しずつ、引っ越しの準備をしているところです。

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    上の繊細な刺繍。これはコルカタ(カルカッタ)製のサリーで、シフォン地に「フレンチ・ノット (French knot) 」と呼ばれる技法で刺繍が施されています。テキスタイル王国インドでは、このような手工芸品が健在で、折に触れ見事な職人技を目にすることができます。

    さて、下の写真はムンバイ宅の窓から眺めるワールドトレードセンターです。ここでは、しばしば多彩なジャンルの展示会が行われているため、近所へ買い物に行くついでに、時々立ち寄ります。

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    この週末は、インド新聞社大手が主催する “ETHNIC FASHION VILLAGE 2009” が開催されていましたので、足を運んでみました。

    衣類や絵画、インテリア小物、ジュエリー、ベッドリネン、家庭用品など、多岐に亘るジャンルのブースが広大な展示場に並んでいます。

    いずれもインド各地から、商人や職人たちが直接訪れ販売をしていることから、値段も卸値に近く、また都市部の店頭ではなかなか見つけられないこともあり、買い物をするつもりがなくても、ついつい引き込まれてしまいます。

    今日はあまり時間もないし、ざっと見て回るだけ……と思っていたのですが、いくつか気になるブースを見つけたので、それらをここでご紹介します。ちなみにブースは100店近くもあるため、ゆっくり見て回ったなら、何時間もかかります。

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    下の写真は、ラジャスターン地方の衣料店で見つけたトップ。ややGIRLYかとも思いましたが、試着してみたところ、意外と似合った(ような気がする)ので、購入。アイロン不要、絞るように巻き、折り曲げてコンパクトに収納できるので、旅行にも便利です。

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    わたしが買い物をしていると、母子連れがやってきました。母親が小さなパーティ用のポーチを手に取って、娘に聞いています。

    「ねえ、これどうかしら。かわいいと思わない?」

    「お母さん、またぁ? そんなバッグ、100個ぐらい持ってるじゃないの」

    「え、こんなデザインのは持ってないわよ。これ、すてきだわ〜」

    「お母さん、それ買っても絶対使わないに決まってるんだから!」

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    娘に喝破され、苦笑いをするお母さん。娘がお母さんの衝動買いの、よいブレーキ役になっているようです。微笑ましい二人でした。

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    こちらは、コルカタで刺繍製品を製造販売している店のブース。この店の刺繍のクオリティはかなり高く、サリーやサルワール・カミーズ(トップとボトム、スカーフの3点セット)のマテリアルなどがカラフルに展示されています。

    下の写真は、サルワール・カミーズのマテリアル。こちらもすべて、手刺繍です。このマテリアルをテイラーに持って行き、自分のサイズに合わせて縫製してもらいます。インドではこのようなテイラーメイドが一般的で、自分にぴったりの服を気軽に作れるのが魅力です。

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    下の写真は、ラジャスターン州のジョドプールという都市から訪れたというアーティスト。彼の一家はみなこのビジネスをしており、彼自身、絵を描くとともに、こうして展示即売会の営業にも訪れているとのこと。

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    ヒンドゥー教の神々や、古(いにしえ)のマハラジャ、マラハニなどをモチーフとしたきらびやかな作品。アーティストから直接、絵の描き方などを尋ねるのは、とても興味深いものです。

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    さて、こちらはアーユルヴェーダ発祥の地として知られるケララ州の、ハーバル・プロダクツの店。以前、どこかのブティックで見つけて買ったものの、以来目にすることのなかった良質の石けんを見つけました。

    ヤシの葉を乾燥・成型して作られたエコロジカルなパッケージ入りのこの石けん。ココナツオイルやニーム、トゥルシ、ターメリックといった、インドならではのお肌によいハーブが配合されています。3種類ほどあったので、それぞれ購入しました。

    インドでは、アーユルヴェーダの処方に基づく、天然素材の石けんがあちこちで手に入るので、気に入ったものは、身体だけでなく、洗顔にも利用しています。

    1個100円程度。先進国基準で考えると、本当にリーズナブルです。

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    パッケージはあやしいとはいえ、やはりハーブのシャンプーやモイスチャライザーなどもありますので、適当に見繕って購入。それから、マイソールというサンダルウッド(白檀)で有名な都市で作られた、サンダルウッドのお香も買いました。

    石けん、シャンプ、お香と、あれこれとたっぷり買って1000円程度。インド生活の醍醐味です。天然素材の石けんなどは、肌のトラブルがある人にもやさしく、日本へのお土産にもとても喜ばれるので、いい商品を見かけた時にはまとめ買いをしておきます。

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    その他、ジュエリーやサンダル、ハンドバッグなどさまざまな店がありましたが、きりがありませんので、今日はこの辺にしておきます。

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    年に数回、調査の仕事などのため、大量の雑誌を購入します。そのたびに、購入すべき雑誌が増えています。というのも、高度経済成長中のインドは、出版業界もまた、成長の過程にあるからです。

    4、5年前までは、女性誌と言えばインド国内の出版社による、紙や印刷技術の質が低いものが主流だったのですが、ここ数年のうちに海外女性誌の「インド版」が次々に創刊。先進国の雑誌に勝るとも劣らぬクオリティです。

    インドは地方によって言語が異なりますので、地方別にそれぞれの言語による雑誌がありますが、英語の雑誌は全国で販売されています。

    さて、今日は買い集めた雑誌から、何冊かをピックアップして紹介します。まず上の大きな写真。インド版のVOGUE、MARIE CLARE、COSMOPOLITAN、ELLE、GRAZIAです。

    表紙のモデルは、ELLE以外はインド人女性で、人気の映画女優も見られます。彼女らに共通している特徴にお気づきでしょうか? そう。暑苦しいほどの黒髪。そして白めの肌。

    地方ごとに差異があるにせよ、全般に肌色の濃い人が多いインドでは、白い肌が美の条件となっています。インド的美白については、今後少しずつ触れるとして、髪。

    最近でこそ、カラーリングや短めのヘアスタイルを楽しむ女性たちが増え始めていますが、それでも「黒く艶やかな長い髪」は、美の基本的な条件です。

    インド人女性の多くは、髪にコシがあり、髪の量が非常に多く、通学途中の少女たちの三つ編みですら、「しめ縄」状態です。あの小さな頭に、どうやったらあんなに髪の毛が生えてくるのだろうかと感心するほど。

    ブンブンと振り回したら凶器にすらなりそうな勢いです。

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    さて、こちらはインドの女性誌。中でも右端のFEMINAは、1959年創刊、今年で50周年を迎えた最も有名な女性誌です。間違ってヒンディー語版を買ってしまったため読めません。英語を読めるか否かで、読者層が異なることから、英語版とは誌面の構成や広告の内容なども若干異なります。

    下の写真は、50周年記念特集から。1960年代の表紙の一覧です。ファッション、ヘアスタイル、表情、背景……いずれも時代を感じさせます。

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    ところでインドは、今、結婚式のシーズン。毎年、年末近くになると、ホテルのバンケットルームやガーデン、あるいは市井の結婚式場で、きらびやかな結婚式の様子を見ることができます。

    ウェディング専門誌(下の写真)が出回るほか、ウェディング特集を組む雑誌も少なくありません。

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    表紙を見ていただくだけで、インドの花嫁がいかに派手に着飾るか、予想がつくかと思います。インドの花嫁は、金糸銀糸もあでやかに、赤やピンク、オレンジ、黄色といった暖色系の民族衣裳に身を包み、「これでもか!」というくらいに宝飾品をつけます。

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    これはMARIE CLAREのウェディング・ファッション特集。着飾るのは、花嫁だけではありません。花嫁の友人たちも華やかに着飾るのが常ですから、編集側も、「花嫁と花嫁の友だちのためのファッション」と称して、おすすめのアイテムを提案しています。ちなみにインドでは「白」は喪服の色ですから、ハレの日には着ません。黒もあまり好まれません。しかし最近では、白地や黒地に刺繍などを施し「派手化したもの」は、見られるようになってきました。

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    こちらは、VOGUEのウェディング・ファッション。普段は欧米のテイストが効いた、比較的落ち着いた紙面構成のVOGUEですが、結婚となると話は別。写真が小さくてわかりづらいかと思いますが、衣類のほとんどが、刺繍やスパンコール、カラフルな石などが埋め込まれた、どっしりと重量感あるものです。

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    こちらもVOGUE。インドのジュエリーは大振りが基本です。右端のイアリングなど「シャンデリア?」と思うようなデザインです。実際、商品名は「ザ・シャンデリア・イアリング」でした。指輪やバングルも、存在感ありすぎ、です。ちなみにこれらの石はすべて「本物」の貴石、もしくは半貴石。ガラスやプラスティックではありませんので、念のため。

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    インドの結婚式イヴェントは数日に分けて行われます。従っては、花嫁の衣裳も目的に応じて毎日変わります。左は、結婚式の儀式の際の伝統的なファッションの例。右は披露宴の際のシンプルなファッションの例が挙げられています……と思ったら、ファッションではなく「メイクアップのアドヴァイス」のページでした。メイクよりもジュエリーに目がいきますよね。

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    まるでミュージアムの古代出土品コーナーに展示されていそうな首輪。ではなくて、ネックレスですね。度肝を抜かれます。このようなデザインはインドの伝統的な装飾品で、研磨されていないダイヤモンドが埋め込まれています。グリーンはエメラルドです。それにしても、肩が凝りそう……。

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    こちらは、「セクシーな花嫁」と称された特集ですが、セクシーというよりは、鼻輪をどこかにひっかけそうで、気が気ではありません。

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    あまりにも、耳への負担が大きすぎるイアリング。イアリングを落とすことよりも、耳がちぎれそうで心配です。

    インドのファッション。派手できらびやか、加えて体力勝負だということが、おわかりいただけたでしょうか。

    今後少しずつ、インドのファッションやジュエリーなどについてもピックアップしていく予定ですが、まずはインドのスタンダードを理解していただきたいと思い、派手の断片をご紹介しました。

    わたしは、普段インドで、激しく大振りなジュエリーを見慣れているので、日本に帰国した折、ジュエリーショップに立ち寄ると、すべてが上品にも小さすぎて物足りなく感じます。

    小振りのジュエリーにはめ込まれた石など、「肉眼では見えない」とさえ思ってしまいます。大げさですね。失礼しました。

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    満月だか夕日だかを背景に、舞い飛ぶ鶴の群れ……。まるでタペストリーのようですが、これはサリーです。絵柄の全体像を確認したく、バンガロール宅の玄関ホールに吊るしてみたところです。

    このサリーは、インドでもモダンなデザイナーズサリーを手がけるSATYA PAULというブランドのもの。

    コンピュータグラフィックによるデザインのサリーは、抽象絵画のようなモチーフのものが多く、個人的にはあまり好きではなかったのですが、このサリーは別でした。

    ショーウインドーに掲げられているのを見て、店内に吸い込まれるように入り、つい衝動買いをした一枚です。東洋的な絵柄にひかれました。

    インドのサリーは手工芸品が多いことから、「一点もの」であることが多いため、気に入ったら買っておかねば、同じものは二度と手に入りません。

    とはいえ、そうそう衝動買いなどしていられませんから、自分自身の審美眼を養うこと、そして「本当にこれは必要なのか」ということを、即座に判断できる力を備える必要があります。

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    さて、これはサリー3点セット。ブラウスのデザインは自分で好みのスタイルにできます。基本は半袖ですが、最近はフレンチスリーブやスリーブレスも人気です。ブラウスはピシッと身体にフィットさせます。さもなくば、サリーが着崩れてしまうのです。

    ぱっつんぱっつんを着ている人もいて、よく苦しくないものだと感心します。ペチコートはサリーの色に合わせた木綿のシンプルなもの。ぐるぐると腰回りに巻き付け、プリーツを寄せるときの「ひっかけ」として不可欠な存在です。

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    サリーは着物よりも簡単に着られるとはいえ、インドでのパーティは、飲んで食べて踊ってと賑やか。着崩れてしまうこともあるので、出かける前にあらかじめ記念撮影をしておきます。

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    裾のあたりから、胸の方に向かって鶴が舞い飛んで行くようにデザインされています。立体感のある見事な仕上がりです。

    タペストリーのようなサリーと言えば、一昨日、ムンバイで有名な老舗サリー店、KALA NIKETANに赴いたところ、まさにタペストリーのようなサリーを見つけました。

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    ムンバイに居住者の多いパルシー(ゾロアスター教徒)の伝統的な手工芸品とのこと。

    「次の世代にも引き継げる逸品ですよ」

    と店の人に勧められましたが、あまりの重厚感に、衣服の概念を超越しています。

    ちなみにこれは、一人の職人が7〜8カ月かけて作り上げたものだとか。艶やかな刺繍糸で丁寧に作られた、実にすばらしい芸術品です。

    せっかくなので、試着をさせてもらいましたが、カーテンだかテーブルクロスだかを巻き付けているようで、似合う似合わない以前に、変でした。これを着てどこへいくのだという話です。

    サリーではなく、まさにタペストリーとして壁に飾りたい一枚でした。

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    約5メートルの一枚布を巧みに身体に巻き付けて着こなす、シンプルながらも華やかなインドの民族衣裳、サリー。

    絹や綿など布の種類にはじまり、織り、 染め、 刺繍、紋様など、産地や品質によって無限とも思える選択肢があるサリーは、インドの多様性を象徴するような衣類です。

    たとえば同じ絹でも、柔らかいもの、滑らかなもの、光沢のあるもの、粗いものなど、数多くの種類があり、値段もピンからきりまで。

    パーティや結婚式用の豪奢なサリーは、ぎっしりと石やビーズが埋め込まれていて、驚くほどの重量感ときらびやかさ。着こなすのは体力勝負です。

    最近では、富裕層や中流層を中心に洋装が定着し、サリーを「ハレの日」にしか着用しない人たちが増えていますが、一方で、モダンな「デザイナーズ・サリー」も誕生するなど、新たなサリーの世界が展開されています。

    サリーは5メートルの1枚布と、ブラウス、ペチコートの3点セットで着用します。ペチコートやブラウスはサリーの色柄とコーディネートして、自分のサイズに合わせてあつらえます。

    ブラウスのための布は、サリーの布に「共布(ともぎれ)」として付いてくることもあれば、そうでないものもあります。共布がない場合は、自分でテキスタイルショップへ行き、好みの布を選んで合わせます。

    下の写真は、バンガロールのテキスタイルショップ。黄色い柄のサリーに合わせてブラウスの布を探しに行ったのですが、同じ黄色でもさまざまにあり、自分の望む黄色がどれなのか、なかなか見分けがつきません。

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    店内の電灯の下では、色が識別しにくいこともあるので、店の外に持ち出して自然光で見比べてみたりと、布の色を選ぶときにはなかなかのエネルギーを要します。

    インドのテキスタイルに触れ合うとき、無数の黄色、無数の赤、無数の緑、無数の青……と、色の海に漂うかのような心持ちにさせられます。

    わたしは折に触れ、サリー専門店を訪れたり、あるいは各地の工芸展フェアなどに足を運んでは、地方地方の職人たちが丹精を込めて手作りをした芸術品ともいえる布製品に接します。その産地や種類を覚えたいのですが、あまりに種類が多くてなかなか覚えられません。

    さて、今日は「昔ながらのサリー店」の様子を、写真を通してご紹介しようと思います。

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    バンガロールのサリー店にて。ここは工場を併設していて、布を織る音が聞こえてきます。大きなマットが敷き詰められた店内の一画に上がり込み、店の人が次々に広げてくれるサリーを羽織っては鏡に映し、あれでもない、これでもないと、品定めをします。

    インドの女性たちは、棚を見ながら的確に、「それを見せて!」「これはどう?」などと指示をするのが見事です。わたしはといえば、少しずつ慣れてはきたものの、未だ色の海に目が泳いでしまい、なかなか焦点が定まりません。

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    昨年、チェンナイ出張の折に立ち寄ったサリー専門店。チェンナイはデリーやムンバイ、バンガロールなどの都市に比べると比較的コンサバティヴで、サリーを着た女性を多く見かけます。ヘアスタイルも昔ながらのロングに三つ編み、激しく豊満な女性が多いのも特長です。

    ところでインドの女性は、足を隠す一方、腹部は平気で露出します。サリーとブラウスの間から力士並みの二段腹、三段腹をのぞかせている人もいて強烈です。

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    こちらはコルカタ(旧カルカッタ)のサリー専門店。コルカタもやはり、他都市に比べると昔ながらの面影を濃厚に残す都市。このときは、バナラシ・シルクのサリーやカンタ刺繍のストールを購入しました。

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    ムンバイ宅の向かいにはワールドトレードセンターがあり、しばしばテキスタイルフェアをやっています。これはインド全国各地から、50を超える生産者が一堂に会して展示即売会を行っていたときの写真。品質の高いものを卸値で買えるのも魅力ですが、各地の商人や職人の話をするのも楽しいものです。

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    こちらもテキスタイルフェアの様子。絞りのサリーの専門店です。フェアの期間、家族、親戚がそろって北インドから、ムンバイへ来ているとのこと。子供たちも店の手伝いをしています。英語ができない母親にかわって、わたしに商品の説明をしてくれました。

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    約5メートルの一枚布を巧みに身体に巻き付けて着こなす、シンプルながらも華やかなインドの民族衣裳、サリー。

    絹や綿など布の種類にはじまり、織り、 染め、 刺繍、紋様など、産地や品質によって無限とも思える選択肢があるサリーは、インドの多様性を象徴するような衣類です。

    たとえば同じ絹でも、柔らかいもの、滑らかなもの、光沢のあるもの、粗いものなど、数多くの種類があり、値段もピンからきりまで。

    パーティや結婚式用の豪奢なサリーは、ぎっしりと石やビーズが埋め込まれていて、驚くほどの重量感ときらびやかさ。着こなすのは体力勝負です。

    最近では、富裕層や中流層を中心に洋装が定着し、サリーを「ハレの日」にしか着用しない人たちが増えていますが、一方で、モダンな「デザイナーズ・サリー」も誕生するなど、新たなサリーの世界が展開されています。

    サリーは5メートルの1枚布と、ブラウス、ペチコートの3点セットで着用します。ペチコートやブラウスはサリーの色柄とコーディネートして、自分のサイズに合わせてあつらえます。

    ブラウスのための布は、サリーの布に「共布(ともぎれ)」として付いてくることもあれば、そうでないものもあります。共布がない場合は、自分でテキスタイルショップへ行き、好みの布を選んで合わせます。

    下の写真は、バンガロールのテキスタイルショップ。黄色い柄のサリーに合わせてブラウスの布を探しに行ったのですが、同じ黄色でもさまざまにあり、自分の望む黄色がどれなのか、なかなか見分けがつきません。

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    店内の電灯の下では、色が識別しにくいこともあるので、店の外に持ち出して自然光で見比べてみたりと、布の色を選ぶときにはなかなかのエネルギーを要します。

    インドのテキスタイルに触れ合うとき、無数の黄色、無数の赤、無数の緑、無数の青……と、色の海に漂うかのような心持ちにさせられます。

    わたしは折に触れ、サリー専門店を訪れたり、あるいは各地の工芸展フェアなどに足を運んでは、地方地方の職人たちが丹精を込めて手作りをした芸術品ともいえる布製品に接します。その産地や種類を覚えたいのですが、あまりに種類が多くてなかなか覚えられません。

    さて、今日は「昔ながらのサリー店」の様子を、写真を通してご紹介しようと思います。

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    バンガロールのサリー店にて。ここは工場を併設していて、布を織る音が聞こえてきます。大きなマットが敷き詰められた店内の一画に上がり込み、店の人が次々に広げてくれるサリーを羽織っては鏡に映し、あれでもない、これでもないと、品定めをします。

    インドの女性たちは、棚を見ながら的確に、「それを見せて!」「これはどう?」などと指示をするのが見事です。わたしはといえば、少しずつ慣れてはきたものの、未だ色の海に目が泳いでしまい、なかなか焦点が定まりません。

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    以前、チェンナイ出張の折に立ち寄ったサリー専門店。チェンナイはデリーやムンバイ、バンガロールなどの都市に比べると比較的コンサバティヴで、サリーを着た女性を多く見かけます。ヘアスタイルも昔ながらのロングに三つ編み、激しく豊満な女性が多いのも特長です。

    ところでインドの女性は、足を隠す一方、腹部は平気で露出します。サリーとブラウスの間から力士並みの二段腹、三段腹をのぞかせている人もいて強烈です。

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    こちらはコルカタ(旧カルカッタ)のサリー専門店。コルカタもやはり、他都市に比べると昔ながらの面影を濃厚に残す都市。このときは、バナラシ・シルクのサリーやカンタ刺繍のストールを購入しました。

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    ムンバイ宅の向かいにはワールドトレードセンターがあり、しばしばテキスタイルフェアをやっています。これはインド全国各地から、50を超える生産者が一堂に会して展示即売会を行っていたときの写真。品質の高いものを卸値で買えるのも魅力ですが、各地の商人や職人の話をするのも楽しいものです。

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    こちらもテキスタイルフェアの様子。絞りのサリーの専門店です。フェアの期間、家族、親戚がそろって北インドから、ムンバイへ来ているとのこと。子供たちも店の手伝いをしています。英語ができない母親にかわって、わたしに商品の説明をしてくれました。

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    今朝、どなたかRKBラジオを聴いてくださっただろうか。収録時、電話線を通してしかし、日本の空気は伝わってこない。ムンバイが、強烈すぎる。

    インターネットを見れば、「鍋」とか「クリスマスツリー」といったキーワードが見える日本のニュース。しかし、ムンバイは、今日も暑い。年中飽きもせず暑い。日本とは、まるで異次元の世界である。

    さて、昨日はユカコさんと「南ムンバイツアー」に繰り出したのだった。北ムンバイ在住の彼女は南を巡る機会があまりなく、わたしはといえば、立ち去る前にあちこち訪れておきたいところもあり、案内を兼ねてのツアーである。

    まずはクロフフォードマーケット近くのテキスタイルショップへ。彼女もわたしも、粗い質感がいいロウシルクのマテリアルを色違いで購入した。

    それぞれ、どんなデザインの、どんな洋服に仕上がるのか楽しみだ。

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    その後はクロフォードマーケットへ。相変わらずの喧噪の界隈を通り抜け、新鮮な野菜や果物からいくつかを選び、購入。

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    ところで右上の写真。一番上はうずら。一番下は七面鳥。サンクスギヴィングデーが間近の今、この七面鳥は食用か、と思いきや、どれもペットらしい。それにしても、紛らわしい。

    うずらなど、こじゃれたフレンチにでも使えそうである。うずらといえば、映画『赤い薔薇ソースの伝説』を思い出す。ストーリーはさておき、料理のシーンが見事だった。あの映画、また見てみたいものだ。

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    その後、食べ比べの結果、わたしが最も気に入っているグジャラート・ターリーの店、SAMRATへ。ユカコさん、店内に入り、注文して、しかしまだ料理を食べていないうちから、においのよさを気に入って、

    「わたし、またここに来ます!」

    と宣言していた。いつもながら、料理はおいしい。甘みと辛みが濃厚な、独特の味わい。どうやって作るのかわからない感じがまた、魅惑的。

    今度はビルとジェイクをつれて、ぜひ来てね。

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    食後は、サリー専門店が立ち並ぶ界隈へ。中でも豊富な品揃えを誇るKALA NIKETANへ。わたしもこの店に訪れるのは久しぶりのことで、久しぶりにその品数の多さに圧倒される思いだ。

    サリー以外にも、洋服用のマテリアルも豊富。もっと早い時期に来て、ここで常々生地を買い、テイラーで仕立てればよかったと、今更ながら思いつつ、布の海に目が泳ぐ。

    布を選び始めるときりがないので、今日は見学にとどめ、その後、オベロイ・ショッピングセンターへ。ここでもジュエリーや工芸品店をのぞき、最後にタージ・マハル・パレスへ。

    スワロフスキーのクリスタルが鏤められた派手なサンダルを見たり、土産物に好適なインド高級雑貨店を覗いたり、ジュエリーショップであれこれと眺めたりしているうちにも、瞬く間に時間は過ぎる。

    インド。ポイントを絞って巡れば、物欲を刺激するすてきなショッピングポイントがたくさんなのだ。なにしろ、インドらしいもの、質が高いもの、手作りの味わいがあるもの、しかしお手頃なもの……といった商品が多いのが魅力。

    何が必要なのかをきちんと考えてのぞまなければ、あれこれと衝動買いしそうで危険である。それにしても、久しぶりにあちこちを一気に巡れて、とても充実したいい一日だった。

    camera

    さて、本日。今朝は9時に家を出て、チャーチゲートとマリンラインの駅に向かう。今月の西日本新聞『激変するインド』の記事に添える写真の撮影が目的だ。

    ムンバイの通勤電車の描写を織り込んだので、ドアから溢れ出て通勤している人たちの様子を撮影しようと思うのだが、これが写真にすると、今ひとつ迫力が伝わらない。

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    ホームで人の波に逆らいながら、ときにベンチの上に立ち、ときにホームの反対側から、ときに階段の上からと、二つの駅にて、あちこちのアングルから撮影してみたのだが、難しかった。

    女性たちの衣服のカラフルさがきれいだったが、モノクロ写真なのでそのあたりが伝わらないのも残念。東京とは別の意味で、迫力満点なのだが……。東京とは別の意味で、体力&精神力を要するムンバイ通勤電車である。

    ところで気になったのが、右上の写真。身体障害者専用車両というのはわかるが、それに加えてキャンサーの人(癌患者)専用の車両とも記されているのが興味深い。しかもそのマークがカニ。

    カニ座を英語でキャンサーというが、がん患者とカニとの間に関係があるのだろうか。なにがなんだか、よくわからない。インドだもの。

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    さて、汗だくでの撮影を終え、帰路。うっかり昨日のKALA NIKETANの前を通りかかる。10時過ぎだから、まだ開いていないだろうと思いきや、開いていた。せっかくだから、じっくりとサリーを見て行こうと店内へ。

    開店間際でまだスタッフも揃っておらず、もちろんお客もいない。静かな店内をゆっくりと見回しつつ歩く。こんな色の海の中から、自分の好みのサリーを的確に選び出せるインド人女性たちの審美眼には、本当に敬服する。

    生まれたときから豊かな色に包まれているがゆえの、結果だろうか。富める女性も、貧しき女性も、その質は異なれど、華やかな色に対する積極的な姿勢はかわらない。自分に似合う好みの色柄を、きちんと把握している。

    見事なものだと、つくづく思う。

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    この上の写真はサリー。今日見つけた中で、最も印象的だった一枚。サリーというよりは最早タペストリー。これ着てどこに行くよ。と突っ込まざるを得ない重厚感だ。

    これはパルシー(ゾロアスター教徒)の伝統的なワークらしい。この店がデザインを発注し、グジャラート州の職人村で作られたものとのこと。1枚のサリーを、一人の職人が7〜8カ月かけて仕上げるのだという。

    左下の写真がその拡大。透かしのようなシルクに、細かな刺繍が施されている。結構な質感だ。

    「これは次の世代にも引き継げる逸品です」

    とのこと。それはよくわかる。思えば以前、INDUSのサリー説明会で、パルシーの女性が祖母から受け継いだアンティークのテキスタイルを参考資料として持って来てくれていた。

    この時の写真の、一番右下の赤い布がそれであった。

    彼女曰く、本当はボーダーがきれいなサリーだったらしいが、祖母の背が低く、一部を大幅に切ってしまったとのこと。もったいないことよね、と笑いながら話していたのを思い出す。

    質のいいサリーは、ジュエリー同様、祖母か母、母から娘へと引き継がれる家族の絆の象徴である。

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    右上のサリーも、パルシーの刺繍。色合いが微妙に難しいが、似合う人には似合うのだろう。

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    左上はミラーワークやビーズが施された「キラキラ系」。右上はバラナシ刺繍。買う買わないは別として、興味があるものを羽織ってみる。

    18sari06 店の人も、他にお客がいないので暇なのか、丁寧に対応してくれる。

    都合10枚ほどをあれこれと試した結果、左の2枚が、自分に似合う気がした。

    赤いサリーはパルシーもの。ボーダーの部分が手刺繍だ。

    赤と黒はこの店オリジナルデザイン。

    こうして見ると、なんだか変だが、着てみると妙に似合ったのだ。赤い方はさほど気負わずに着れる上品さがある。

    どっちにしようか迷う。店の人は、「どちらも買えばいいじゃないですか」と常套句を投げかける。しかし、どちらも欲しいかといえば、いや、それほどでもないような気がする。最後のところで「ピン」とこない。

    散々試した挙げ句ではあるが、

    「やっぱり今日はやめておきます。あなた方が勧めるパルシーワークは、まるでタペストリーで、芸術が歩いているみたいだし、一方この2枚のサリーはちょっと、物足りないし。中間ぐらいの値段と華やかさのものがあればいいのだけれど」

    そう言ったが早いが、お兄さん。

    「じゃ、これはどうですか?」

    と棚の下の方から取り出して見せてくれたそれがもう、ビンゴ!!

    一目見た途端、試す前から購入即決。感動的なほど、わたし好みの色柄デザインである。こういう一枚に出合えるということは、まさに「一期一会」である。これを買わずにいられようか。いや、いられまい。

    そもそも「洋服を買うこと」にさほど情熱がなかったわたしが、インドに来て以来、「お買い物好き。かも?」に変身しているところが、恐るべしインドである。なんのことやらである。

    どういうサリーであったかは、また後日ということで、ともあれ、サリー世界は毎度、奥が深い。