不易流行 〜インドのファッション&ビューティ〜

FASHION & BEAUTY in INDIA/インドの多様性を映す民族衣装サリー情報をはじめ、昨今のファッションやジュエリー、コスメティクスのトレンドをご紹介。

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

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    ヤズダニ・ベーカリーで故人を偲んだ後、いつも通りに、スターバックス・カフェへ。鋭い日差しが照りつける蒸し暑い日、フォート界隈をあるいたあと、ここで涼を取るのが常だった。

    2012年、インド第一号店として開業したこのスターバックス。久しぶりに訪れれば、内装は以前からは一新している。個人的には、昔ながらのインド風情が生かされた雰囲気が好きだが、このポップに明るい感じもまた、悪くない。

    歳月は流れて、情景は変わる。

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    その後、インドのデザイナーズ・ファッションを扱う「ENSEMBLE」へ。1987年、インド初のマルチ・デザイナー・ストア(日本でいうところのセレクト・ショップ)として、ボンベイの歴史を刻む古いビルディングに誕生したこの店。創業以来、インドのトレンドを築くデザイナーたちのファッションを提供している。

    最近のトレンドをチェックした後、コラバへタクシーを走らせる。我々夫婦が2008年から2年間、暮らしていたのは、コラバ地区の南側、カフ・パレードという住宅ビルディングが立ち並ぶエリアだった。

    ワールド・トレードセンターの向かい、タージ・プレジデントホテルに隣接する利便性の高い場所に住んでいたが、夏は蒸し暑く、モンスーンの時期の湿気たるや壮絶で、さらには漁村からの魚臭もパンチが効いており、なかなかにタフな環境でもあった。

    しかしながら、ムンバイの底知れぬ魅力に惹きつけられていたわたしは、暑い最中もしばしば街歩きを楽しんだものである。コラバ界隈は、ゆえに懐かしくもなじみの場所なのだ。

    ところでインドのデザイナーズ・ブランドは、年々、驚くべき速度でその数を増やしている。トレンドを見極めるのも困難な昨今だが、ソーシャルメディアのアルゴリズムのおかげで、自分の好みを反映したブランドの広告が、InstagramやFacebookに飛び出してくれるので、そこからブランドを知ることもできる。

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    この日、コラバで真っ先に向かったのはLOVEBIRDS。昨年、バンガロールのブティック「シナモン」で、ポルカドットのブラウスを見つけて以来、気に入っており、何枚か購入した。個性的なデザインや着心地のよさの背景には、インドの職人らによる丁寧な手作業、良質な綿素材などを用いるなど、エシカルな側面がある。

    ブティックの入り口には、ムンバイを象徴するカラスの姿。店内には猫がまどろみ、なんとも穏やかな空間。気に入ったデザインが複数枚あったが、無駄を出さない目的もあるのだろう、サイズのストックが少ないので、ジャンプスーツを1着のみ、購入。

    ちなみにインドのデザイナーズ・ブランドほか、多くのブランドが、店で顧客を採寸し、それぞれのサイズにあった服を作ってくれる。日数を要するが、自分にぴったりのサイズを作ってもらえるところも、インドのよさだ。

    ……というわけで、久しぶりに「インドはステキなものであふれている」略して「インステ」のご紹介でした。ファッションやコスメティクスなど、紹介したいブランドがあれこれあるのだが、優先順位の下位になりがち。ときには軽やかな話題も織り交ぜていこう。

    ◉LOVEBIRDS
    https://lovebirds-studio.com/

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    常々、記していることだが、インドには、日本を好意的に見てくれる人がとても多い。インドが一つの国として独立した際、日本とインドが連携したという歴史的な経緯によって育まれた感情。あるいは、同じアジアの一国としての親近感。その一方で、多様性のインドとは対極にある極東の島国の特異性に対する好奇心。隔離された世界で育まれてきた独特の日本文化に対する敬意など。昨今では、日本のアニメーションが、子ども、若者らの関心を引き続けている。

    このところ、インドのアカデミック層、あるいは、知的富裕層を対象とした「日本、もしくは日本とインドの関わり」について語る機会が増えている。それに伴い、我が特製の、英語のプレゼンテーション資料も、その種類と厚みを増やしている。

    今回は、ムンバイで現在、建築中(一部完成)のラグジュアリーな高層アパートメントビルディング「25 SOUTH」で開催された、居住者や顧客向けの催し “JAPANESE CULTURE SALON” にスピーカーとして招かれた。世界的に有名な日本の陶磁器ブランド「ノリタケ」との合同イヴェントだ。会場には主賓として、在ムンバイ日本国総領事館の総領事、深堀氏も紋付羽織袴姿でお見えになった。場の雰囲気が「日本!」になり、とてもすてきだ。わたしは、毎度おなじみ、京友禅サリーを着用して参上だ。

    1904年、愛知県に誕生したノリタケ。インドの隣国スリランカにも工場を持っているという背景もあってか、インドにおける認知度も高い。わたしの友人宅でも、ノリタケのティーセットを見かけることは少なくない。京友禅サリーの展示会に来てくれた親日派の友人母も、ご自身の最も大切な食器コレクションは、オールド・ノリタケのティーセットだと話していた。

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    さて、日本とインドの関係史については、軽く3、4時間語り続けられる厚みのある資料がある。その一部を抜粋することも可能だったが、休日の午後の、のんびりとした空気の中でのトークにつき、内容は柔らかめがいいだろうと、与えられた時間に合わせ、45分ヴァージョンの新たな資料を作った。

    先月の一時帰国時に撮影した京都の情景や、伝統工芸品の写真を多用しつつ、日本の「匠の技」のすばらしさを伝え、同時に日本や中国、欧州の陶磁器の歴史的背景を語る。

    磁器を生んだのは中国。そして朝鮮半島、日本へともたらされた。マルコ・ポーロによって中国の磁器がはじめて欧州に持ち込まれて以来、東インド会社によって欧州にもたらされた磁器は、たちまち欧州王侯貴族の関心を集める。しかし、その製法を模倣するのは困難で、各地で試行錯誤が続いた。

    結果、ドレスデン近郊のマイセンで欧州最初の磁器が誕生する。わたしは、1991年、ベルリンの壁が崩壊した直後に東西統合直後の「大ドイツ」をドライヴ取材した。フランクフルトからベルリンに至る途中、マイセンやドレスデンにも立ち寄った。1994年の欧州3カ月鉄道放浪旅の際にも再訪。

    さらには、2018年、大いなる理由があって(話すと長くなる)ドレスデンを訪れている。同地のツィンガー宮殿にはポーセリン(磁器)ミュージアムがあり、それはもうすばらしい所蔵品の数々で……と、語れば尽きぬ。

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    かくなる次第で、このテーマに関してもネタが多く、素材には困らない。とはいえ、わたしが盛り上がったところで、聴衆の関心が薄いと意味がないので、控えめにを心がけねばならない。資料を作るのは、たいへんだが楽しい。

    それはそうと、英語のプレゼンをするようになって、自分の英語力の不足を痛感する。資料作りの際は翻訳ソフトの力を借りることができるが、語りはそうはいかない。しっかり勉強しなおすべきだと、今回、改めて痛感した。

    そういえば、パンデミック時に、こんな動画も作っていた! SAREESの演奏を聴きつつ、「ドレスデンの奇跡」を知ることができます!

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    💝シューベルトのアヴェ・マリア。ドレスデンにある奇跡の聖母教会(フラウエン教会)の物語と共に。

    🇩🇪27年越しの念願。遂には、奇跡の光景をこの目で。
    https://museindia.typepad.jp/2018/%E6%97%85%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84/

    🇯🇵NORITAKE
    https://www.noritake.in/

    🇮🇳25 SOUTH
    https://25south.in/

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    昨日、毎度おなじみ、インド各地の手工芸品が一堂に会するDASTKARを訪れた。このようなバザール、初日はまだ準備が整っていないところが多いので、普段は2日目以降に足を運ぶのだが、昨日は、勉強会の帰路、近かったので立ち寄った。

    デリーを拠点に、ムンバイやバンガロール、チェンナイなどの都市で、「ネイチャー・バザール」と呼ばれる大規模な展示会を開催し続けているDASTKAR。インドの伝統的な手工芸を手がける職人たちが、消費者と直接関われる貴重な場だ。わたしはインド移住以来、毎年必ず、このバザールを訪れ、レポートしてきた。

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    昨年、デリーを訪れたときには、京友禅サリーを携えてDASTKARオフィスを訪問。創始者のLaila Tyabjiとお会いすることができて、とても光栄だった。

    さて昨日は、さっと見て回るだけのつもりが、伝統的な技法をモダンにアレンジした、すてきな意匠のファッションなどを見つけ、何枚か購入。

    派手派手しいTシャツは、意外にもオーガニック・コットン製。Funjabとは、Fun + Punjabを組み合わせた言葉らしい。楽しいパンジャブ。我が夫、出自はパンジャブにつき、夫に買いたかったが、サイズがなかったので、わたしが自分用に買った。

    クロシェ編みの飾りが愛らしい短い丈のブラウスは、オーガニックコットンで着心地も抜群。その場で着ていたトップを脱ぎ、試着させてもらう。

    「もう、そのまま、買い物を続けてくださいよ! 宣伝になりますし!」

    と店主の女性は強く勧めてくれるのだが、下に着ているタンクトップは、一応「インナー」カテゴリーなので、大幅にはみ出したまま歩くのは憚られる。

    「明日、もう一度ゆっくり買い物に来ますから、そのとき着てきますよ!」と伝えた。

    かわいいレモン型のバスケットも買った。若手デザイナー集団を束ねて商品化しているらしい。本当にこういう傾向、すばらしい。

    さて、今日も出かけねば💪

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    ✏️インドの伝統工芸と職人たちを支援し続けるDASTKARの創始者、Lailaを訪ねる朝
    https://museindia-bxdri.wordpress.com/2022/10/31/dastkar-3/

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    2005年11月。インドに移住した直後から、心を奪われたものは数多、ある。

    布。サリー。テキスタイル。スパイス。ハーブ。オイル。コーヒー。紅茶。アーユルヴェーダ。自然派コスメティクス。宝石。ゴールド。貴石(プレシャスストーン)。半貴石(セミプレシャスストーン)。
    ……尽きない。

    石の世界を語ればまた、あまりにも広く深く。

    このところ、関心が薄れていたのだが、昨日の出会いと今日の出会い。偶然の重なりで、新居の空気を整えるための石の店に出合い、石を買った。

    新居だけでなく、わたしたちの心を整えるための石らも。

    研磨されたものも美しいけれど、ゴツゴツと、素の石がまた、美しい。

    先日、銀座で20年ぶりに再会したほのかさん。彼女の作品も、ロウ・エメラルド。自然の姿のままの石。

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    旧居は千客万来の家だ。ミューズ・クリエイションのメンバーはじめ、セミナーのゲストほか、バザールなどの会場にも使った。

    毎週オープンハウスにしていたころを思うと、本当にすさまじい「気の渦」だった。前向きに集ってくれる人が大半だったが、しかし皆が皆、いい「気」を携えてくるわけではない。

    それでも、この家が常に浄化され、居心地よく在れるのは、もちろん、わたしの努力もあったけれど(自画自賛)、玄関ホールのシャンデリアの「クリスタル(水晶)」の力も大きかったと、最近では改めて、そう思う。

    上部はガラスだが、下部のペンダントの部分が、クリスタルなのだ。

    新居の照明はクリスタルではないので、今日、ヒマラヤのクリスタルを買った。そのほかにも、「これはいい」と、閃くいくつかを。

    瞑想のとき。ストレスが溜まったとき。心が乱れるとき。それぞれに、助けてくれる石がある。電磁波から心身を守るための石なども。

    これを機に、家の随所に放置したままの石らも集めて、きれいにしなければ。

    石の歴史を思うとき、人間の一生など刹那。謙虚な気持ちになれる。守ってもらえるとも思える。

    ちなみに「刹那」とは、時間の最小単位で、極めて短い時間を意味する言葉。サンスクリット語(梵語)のクシャナが語源の、仏教用語でもある。

    Love Rocks Crystals DEVAS UNLIMITED
    https://devasunlimited.com/

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    わたしがインドに移住してからというもの、多分わたしだけでなく、母のライフスタイルも大きく変化したと思う。実家にはMade in Indiaがあふれている。クオリティの高い商品が次々に誕生し、それに伴い、選択肢は、年々、増える。帰国時に持参するお土産以外にも、年に何度か、小包で送っている。

    ◎木綿や麻、竹素材など、暑い日本の夏に好適な衣類。
    ◎パシュミナやウール、ヤクの心地よいセーターやブランケット。
    ◎天然素材の石鹸やシャンプー、コスメティクス、歯磨き粉などの日用消費財。
    ◎コーヒー豆や紅茶、ハーブティーなどの嗜好品。
    ◎シナモンやターメリック、岩塩、天然の砂糖などのスパイスや調味料。
    ◎ヘンプシードやCBDオイル、スピルリナ、モリンガなどスーパーフード。
    ◎アーユルヴェーダの各種生薬やサプリメント。

    今回は、他の人へのお土産も含め、かなりヴァラエティ豊かにインド製品を持ち帰ったので、初公開。お気に入りの商品、どれも紹介したいところだが、今日はこれからお出かけだ。インド在住の方の参考になるかもしれないので、後日、改めてブランドをリストアップしようと思う。
    数年前に母は「体操」を習いに行き始めたため、体操着にふさわしい綿ジャージーや竹繊維のシャツなどを多めに購入した。着心地がいいので、もちろん部屋着にもなる。

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    Thank you for a wonderful, beautiful evening, Anjum! Your taste and skill in interior design is exceptional.

    And your special biryani was delicious!

    Anyway, I feel like I bought my iPhone 14 pro to capture you guys beautifully.😸

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    【後日談】

    この取材をし、記事を執筆してくださった共同通信の高司氏。わたしと故郷が同じ福岡市東区で、ご実家は徒歩圏内だった! というご縁があり、その後、バンガロールでもお会いしたのだった。京友禅サリーとはほぼ、全く関係ないが、その話題も以下の記録に残している。

    🥭バンガロールで最もお勧めのレストランのひとつ、牧歌的な情景の只中にある「Farmlore」へ
    https://museindia.typepad.jp/2023/2023/07/farm.html

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    2日間に亘って開催した京友禅サリー展示会は、無事につつがなく終えることができた。

    50名を超えるゲストが来訪され、京友禅を見て、触れて、感じてもらった。あるいは、身にまとって、その質感のすばらしさを体験してもらった。

    善きものは、触れて使って、使い続けて、その良さを実感できる。

    一枚布のサリーは尚更に。

    身に纏ってはじめて、布が呼吸を始める。吊るされているときには無口だった布は、触れられ、纏われ、なびかされて、饒舌になる。

    それを、ゲストに体験してもらいたかった。

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    非常に高価なものなので、着用を遠慮をされる方もいらしたが、京友禅サリーは撥水加工が施されており、簡単に汚れないのも長所なのだ。

    翻って、京友禅サリーの市場開拓となると、バンガロール展示会で実感したのと同様に、課題は多い。

    しかし「潜在力」があることは、まちがいない。今後、いかに課題を理解し、商品に反映させ、市場に展開していくか。それは、購買層となるインドの人々の嗜好、習慣、価値観、さらには、都市ごとの地域性や、そのときどきのトレンド、ライフスタイル全般を、「常にアップデート」する必要もある。

    今日、展示会のレポートをまとめれば、ひとまず我がミッションは完了。今後、わたしが京友禅サリーとどのように関わっていくのかは未知数だ。

    10月中旬に「京友禅サリーのプロモーター」の任を引き受けてはじめて、京友禅に関して付け焼き刃の知識を得た。京都の染匠さんの工房すら訪れていない者がプロモーターしていることを、疑問視する向きもあるだろう。

    それでも、これまで無数のインドの伝統工芸に触れ合ってきた者として、個人的に、日本の伝統的な「善き手工芸品」の魅力を再確認することができたのは確か。何より、「仕事」という領域を超えて、「人間の手なる技」に対する、自分自身の関心が、高まった。

    今回、デリーの家に残されている、古き日本の漆器などを手にするにつけても、それを思った。

    日本とインド両国の「不易流行」を、微力ながらこれからも、追求する仕事に関わりたいとの思いを新たにしつつ……。

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    淀んでいた空が嘘のように、今日のデリーは青空だ。13日、14日と、2日間に亘って実施した京友禅サリーの展示会。50名を超える来訪者を迎え、想像以上に賑やかで豊かな時間が流れた。

    今回の一連の出来事は、3年前に他界した義父ロメイシュ・パパの計らいのような気がしてならない。すでに記したが、この展示会を開催すると決めてのち、13日が義父の命日で、14日が義理の継母の誕生日だということを思い出した。

    ロメイシュ・パパが建てたこの家の家具は、主には義父方の祖父母から引き継いだものが残っているのだが、中には、義母方の祖父母ゆかりの調度品が、物置などの中に残されていた。

    殺風景な家を彩るために、寒さに震えつつ、さまざまを発掘。何十年も眠っていた物らを、洗う。拭く。磨く。

    実業家だった義母方の祖父は、主には英国やスイスほか、欧州を旅することが多かったと聞いている。しかし、ここに残されているのは、日本や中国などオリエンタルなものが目立つ。

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    たとえば、1960年代に日本へ出張した際に受け取ったのであろう調度品など。

    夫が子供のころ、好きだったという鯛の小物入れ。壽。

    着物姿の女性の絵。

    菊の御紋が上品に麗しい漆器類。

    中国製と思しき掛け軸……。

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    母方祖母が気に入っていたという、埃まみれの中国&香港製ティーセットは、段ボール箱から発掘した。

    ゴミ同然だった花器はまるで、生け花のためのようでもあり。

    数日前にショッピングに出かけた際、インテリアショップで造花を買った。活けてみるに、映える。

    何もかもが、京友禅の展示と見事に調和し、違和感なく、溶け込んでいる。

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    京友禅サリーの展示会には、伯父夫婦や、夫の従兄弟夫婦も来てくれた。わたしが、洗い上げて食器棚にきれいに並べた中国&香港製ティーセットを取り出し、お茶を出したところ、伯母が感慨深そうに言う。

    「これは、義母(夫の祖母)が、大切にしていたものなの。特別な日に使う……といいながら、結局、使われないまま。わたしは今日、初めて手にするのよ!」

    半世紀以上、使われていなかったものを、この展示会で使うのもご縁。よきものは、使ってこそ、だ。割れたら金継ぎすればいい。

    思うところ多い、今回のデリー滞在もまた。

    京友禅サリー展示会以外にも、記しておきたいことが多く、少しずつ、残そう。

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    青空広がるバンガロールを離れ、一昨日、デリーに無事到着。濃霧の影響で、フライトは2時間近く遅れた。「感染対策」ではなく「公害対策」として、マスクを着用。健康管理が最優先事項だ。

    冷え切った家にヒーターを入れ、人心地ついたあと、ロメイシュ・パパがいつもそうしていたように、ワインを取り出す。パパにとって、わたしは「飲み友」でもあったのだ。

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    わたしたちが帰郷すると、パパはいつも、片手に白ワイン、片手に赤ワインを持って、

    「美穂、どっちがいい?」と笑顔で尋ねてくれたものである。

    そんなパパを偲びつつ、まずは乾杯。

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    マルハン家に勤続30年超のドライヴァー(執事状態)のティージビールとその家族が、この家を守ってくれている。彼が買ってきてくれていた、我が好物のグースベリー(食用ほおずき)を食べる。これは、ぶどうのように束ねられたもの。冬のデリーの風物詩だ。おいしい。

    昨日は、展示会に向けての備品などを買いに出かける予定だった。しかし、まずは会場を整えてから、不足分を見出そうと気が変わった。

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    すでに到着していたマネキン・ガールズの梱包を解き、ああでもない、こうでもないと、あれこれ位置を移動させつつ、半日ほどかけて設営完了。殺風景だった部屋が、見違えるように華やかになった。

    この家は、パパが25年ほど前に改築した。それ以前は、ここにパパがダディマ(父方祖母)に贈った家があった。パパはかなりの苦労人で、晩年、病気がちだった父を支え、母を助けてきた。

    ダディマがここに一人で暮らしていたころ、隣家にはインド人に嫁いだ日本人女性が住んでいた。彼女はダディマの親友だった。そんなこともまた、ご縁である。
    4階建てのこの家の、1階は人に貸しており、2階は我々のフロア。3階は義姉夫婦。4階に義母が暮らす。この2階は、ダディマが他界して以来、15年以上、ほとんど手をかけられていなかった。

    2020年にパパが他界した直後から、少しずつ内装を整えていこうと思っていだのだが、パンデミックとなり、そのままになっていた。

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    今回、京友禅サリー展示会の会場にするには、すべてがあまりに古びていて、殺風景であることが懸念だった。ソファーカヴァーだけ、2020年2月に来訪した際に張り替えておいてよかったと思う。上の2枚の写真はそのときのものだ。

    むしろ、家が地味だからこそ、サリーの美しさが引き立つ。テーブルクロスやクッションなどを購入するつもりだったが、むしろ展示会には不要だとセッティングをしたあと実感した。

    それにしても、だ。

    京友禅の麗しさ! 

    驚くほどに、インドの古い家具にも調和する。

    多くの人に、実際に見て、触れてほしいと、改めて思う。

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